コラム

 

【危篤~散会】葬儀の流れ|「家族が行うべき準備」も段階ごとに解説

葬儀は、遺族や親族、友人などが一堂に会し、故人に敬意と感謝の気持ちを示す重要な儀式です。しかし、葬儀の手続きは複雑で多岐にわたり、故人の家族にとっては悲しみと向き合う時間もないほどの大変な仕事となるケースが少なくありません。ある程度の流れを事前に把握しておくことで、家族に不幸が訪れた際にも滞りなく儀式を終えることが可能です。

当記事では、家族の逝去から始まり、葬儀・告別式、火葬・骨上げなどの一連の流れを追いながら、葬儀を円滑に執り行うためのポイントを簡単に解説します。

1. 葬儀の主な流れ|家族が行うべき準備は?

まずは、故人の逝去から葬儀終了までの大まかな流れを把握しましょう。下記は、故人が午前中に亡くなった場合の、一般的なスケジュールです。

逝去当日 午前 (1)危篤
(2)逝去・臨終
午後 (3)遺体搬送・安置
(4)葬儀社の手配
(5)喪主の決定
(6)葬儀の打ち合わせ
(7)納棺
(8)枕経
逝去翌日 午前
午後 (9)通夜・通夜振る舞い
3日目 午前 (10)葬儀・告別式
(11)火葬・骨上げ
午後 (12)初七日法要・精進落とし
(13)散会・帰宅

家族が突然逝去した場合でも、全体の流れを把握していれば滞りなく葬儀を執り行えるでしょう。次からは、葬儀の流れや家族が行うべき準備を具体的に説明します。

1-1. (1)危篤

家族が危篤状態に陥った際はまず医師と連絡を密に取り、状況の把握を行います。この段階で、看取りの場所や家族の意向を確認しておくことが重要です。家族や友人への連絡はもちろん、本人が会いたがっている人がいないかも確認しておきましょう。

また、危篤から逝去が予想される場合は訃報を入れる相手のリストを作り、葬儀にかかる費用や手続きについてもリサーチしておくと、混乱を避けることができます。

1-2. (2)逝去・臨終

家族が逝去した際は、医師に死亡確認を依頼しましょう。病院の場合はその場で、自宅の場合はかかりつけ医から死亡診断書が発行されます。医師による死亡確認が済むまで、遺体を動かしたり着替えさせたりしてはなりません。

かかりつけ医がいない場合は、救急隊もしくは警察の判断を仰ぐ必要があります。状況に応じて検死・解剖が行われ、死体検案書が発行されます。

1-3. (3)遺体搬送・安置

病院の霊安室には、数時間程度しか滞在できないケースが大半です。そのため、故人の逝去に伴い速やかな寝台車の手配と、遺体安置場所の確保を行わなければなりません。

遺体搬送を行うのは、葬儀社や遺体搬送業者が一般的です。安置場所は葬儀場や自宅の他、専用の保管施設などがあります。遺体を安置したら、故人が属していた宗教に従って仏壇や仏具を整え、遺影や線香、お供え物を用意しましょう。

1-4. (4)葬儀社の手配

家族の逝去が確認されたら、速やかに葬儀社に連絡しましょう。病院などからの紹介も可能ですが、事前に葬儀社を選定しておくことで逝去後の混乱を軽減できます。

葬儀社を選ぶ際は、費用・サービス内容・口コミなどを比較検討した上で、故人や家族の希望に沿った業者を選ぶことが大切です。なお、死亡診断書・死体検案書の受け取りから7日以内に届け出が必要な死亡届は、大半の葬儀社が手続きの代行に対応しています。

1-5. (5)喪主の決定

喪主は葬儀の進行を統括し、葬儀に関する意思決定を行う役割を担います。通常、喪主は故人の配偶者・子ども・親・兄弟姉妹のいずれかが務めますが、故人の遺志や家族間の事情に応じて選ぶことが大切です。

喪主が決まったらその旨を葬儀社に伝え、葬儀に向けた準備に取りかかります。喪主は葬儀に関わるすべての手続きや対応の責任を負うため、少なくとも通夜の始まる前までには決めておくとよいでしょう。

1-6. (6)葬儀の打ち合わせ

葬儀の打ち合わせでは、まず葬儀の日程・場所・規模・形式を決めましょう。次に、葬儀に参列する人々に対する案内状や喪中はがきの作成、お葬式に関わる儀式内容や流れ、供花や供養の手配などを打ち合わせます。

また、葬儀費用や支払い方法についても確認し、予算内での適切なプランを選択してください。さらに、僧侶や神職の手配、香典・お布施に関するマナーや相場も確認しておくことが重要です。

1-7. (7)枕経

枕経とは、安置先の葬儀場・自宅・安置所などに住職を迎え、故人の遺体の枕元で読経するという儀式です。仏教特有の儀式スタイルであり、故人が無事に成仏することを目的に行われます。納棺前に行われる場合もあれば、故人が亡くなった直後に行われる場合もあります。

なお、枕経に参列する際、香典を持参する必要はなく、服装も平服でも問題ありません。しかし、なるべくカジュアルな服装は避けて、落ち着いた色合いの服装を心がけましょう。

1-8. (8)納棺

納棺は、故人の遺体を棺に納める儀式であり、通夜の前に行われるケースが一般的です。葬儀社のスタッフや僧侶の指導のもと、末期の水を含ませてから遺体を清める「湯灌(ゆかん)」を行った後、死装束を着せて死化粧を施します。納棺師に依頼して、プロの手で整えてもらうことも可能です。

故人が好んでいた服や愛用していた品などを、副葬品として一緒に棺へ納めることもできます。ただし、金属やガラスが含まれる製品、貴金属類など、入れられないものもあるため、葬儀社に確認しましょう。

1-9. (9)通夜・通夜振る舞い

通夜では、僧侶が読経を行い、喪主から順に参列者が焼香して故人に手を合わせます。通夜後には通夜振る舞いとして軽食や飲み物を提供しますが、参列者数や予算によっては省略される場合もあります。

かつては一晩中故人の枕元に寄り添っていましたが、近年では夜の6~7時くらいから始まり、数時間程度で終わることが多くなりました。香典を受け取る際に、香典返しとして記念品を配るのが一般的です。全体の流れは葬儀社側が差配してくれるため、分からないことがあったら早めに確認するようにしましょう。

1-10. (10)葬儀・告別式

葬儀・告別式では、開式の1時間ほど前に式場へ行き、段取りや弔辞・弔電・供花・供物などの確認、受付準備を行います。通夜と同じく読経と焼香・合掌が行われ、参列者全員が故人と最後の別れを終えれば告別式の終了です。

閉式の宣言後は故人の棺に花を供え、棺の蓋を閉じて出棺となり、火葬場に向かいます。葬儀・告別式は通夜の翌日に行われるのが一般的です。

1-11. (11)火葬・骨上げ

火葬場に到着後は家族が故人に最後の別れを告げる納めの儀を行い、遺体が火葬されます。火葬にかかる時間は1時間程度です。

火葬後は家族が端で遺骨を拾って骨壺に納めるお骨上げが行われます。故人と関係が深い人から順に、2人1組で足先の骨から拾い上げる形式が一般的です。ただし、地域や宗派によって風習が異なる場合があるため、必ず事前に確認しておきましょう。

骨上げが終わったら骨壷は仮納骨堂や自宅に持ち帰り、後日墓地に埋葬します。なお、火葬に当たっては「火葬許可証」、納骨には「埋葬許可証または火葬許可証」、分骨で納骨する場合は「分骨証明書」が必要です。

1-12. (12)初七日法要・精進落とし

初七日法要は、故人の逝去から7日目に行われる法要です。自宅や寺院で僧侶が読経し、故人の冥福を祈ります。しかし、近年は遠方に住まう参列者の負担へ配慮して、葬儀当日に済ませてしまうケースが一般的です。

法要後、家族や親族が集まって「精進落とし」という会食を開きます。精進落としは、四十九日の忌明けの区切りとして、精進料理(肉類を含まない菜食料理)から、普通の食事へと戻すことです。こちらも本来は逝去後49日後の儀式に当たるものの、初七日法要と同様に葬儀当日に席を設けることが多くなりました。

1-13. (13)散会・帰宅

葬儀や法要が無事に終わった後、参列者は散会し、それぞれ自宅へと帰宅します。喪主や家族は、僧侶や最後までおつき合いいただいた参列者に礼を述べ、感謝の気持ちを伝えましょう。また、会場の後片付けや葬儀社との最終確認も必要です。

散会後も後飾りや諸手続き、弔問対応など、やるべきことは残っていますが、ひとまず葬儀に関する諸々は終了となります。葬儀を通じて故人への感謝や尊敬の念を新たにし、前向きな気持ちで日常生活へと戻りましょう。

まとめ

葬儀は故人への最後のお別れの場であり、家族や親族、友人たちが故人を偲び、悲しみを共有する大切な儀式です。葬儀の手続きは、逝去・臨終から始まり遺体の搬送・安置から散会・帰宅まで、多くの手続きと作業が必要となります。

住まう地域や属する宗派によっても詳細が異なるため、必ず周囲や葬儀社と相談して進行することが、トラブルの回避には大切です。葬儀を適切に執り行うことで、家族や参列者が悲しみを乗り越え、新たな生活に向けて前向きに歩み出せるでしょう。

 

この記事を書いた人

株式会社了聞 運営部主任 小林 雄志

株式会社了聞 運営部主任 小林 雄志

葬儀・供養業界経験者。複数の霊園・納骨堂での勤務経験あり。
取得資格:終活コンシェルジュ

ページトップへ戻る
ページトップへ戻る