墓じまいにかかる費用の相場は?安く抑えるポイントも徹底解説!

お墓
2025.02.25
墓じまいにかかる費用の相場は?安く抑えるポイントも徹底解説!

この記事を書いた人

運営部課長 小林 雄志

葬儀・供養業界経験者。複数の霊園・納骨堂での勤務経験あり。
取得資格:終活コンシェルジュ

近年、少子高齢化や核家族化が進む中で、「後継者がいない」「お墓の管理が難しい」といった理由から、墓じまいを真剣に考える家庭も増えてきました。しかし、その手続きや費用について不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

当記事では、墓じまいにかかる費用の相場や内訳、費用負担の選択肢や節約のポイントについて解説します。初めて墓じまいを検討する方でも混乱しないよう、基本的な情報を分かりやすく紹介するため、ぜひ参考にしてください。

1. 墓じまいとは?

墓じまいとは、現在利用しているお墓を撤去・解体して更地にし、墓地の使用権を返還する手続きです。この際、元のお墓に納められていた遺骨は、新しい納骨先に移して供養する必要があります。

近年、墓じまいを選択する人が増加しています。主な理由として挙げられるのが、少子高齢化や核家族化の進行です。さらに、無縁墓(管理者がいないお墓)が社会問題として注目されたことも影響しています。

お墓を受け継ぐ後継者がいない方や、子どもに管理の負担をかけたくない方が、元気なうちに墓じまいを行うケースが増えてきました。また、お墓が遠方にある場合、年齢を重ねるにつれお墓参りが困難になるのも、墓じまいを決断する要因の1つです。

墓じまいのメリット・デメリットや具体的な流れについてより詳しく知りたい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。
墓じまいとは?メリット・デメリットや必要な手続き・主な改葬先も

2. 墓じまいの費用相場と内訳

墓じまいにかかる費用の相場は約30万円~300万円と幅があります。

費用に幅が生じる理由は、墓石の大きさや撤去場所の条件、新たな納骨先の種類や供養の方法によって、それぞれ費用が異なるためです。たとえば、墓石を1つだけ撤去して手元供養を行う場合は費用を抑えられますが、墓地が山奥だったり新たなお墓を建てたりすると総額が高くなります。

また、墓じまい費用の内訳は、大きく「現在のお墓の撤去費用」「新しい納骨先にかかる費用」「行政手続きにかかる費用」の3つの項目に分けられます。

2-1. 現在のお墓の撤去にかかる費用

墓じまいの第一段階として、現在のお墓の撤去が必要です。この工程では、墓石の撤去・解体や関連する儀式に費用が発生します。各費用の目安は以下の通りです。

墓石の撤去費用 10万~15万円程度(1平方メートル当たり)
墓石の解体や撤去を行い、墓地を更地にする作業です。お墓の面積や石材の量、重機の使用の可否によって金額が変わります。重機が入らない立地では手作業となり、費用が高額になる場合があります。
閉眼供養(お布施) 3万~10万円程度
お墓から故人の魂を抜き、ただの石に戻す儀式である閉眼供養の費用です。読経を行う僧侶へのお布施が中心となりますが、お寺や地域によって料金設定が異なるため、事前の確認が重要です。
離檀料 3万~20万円程度
お寺の檀家を離れる際にお渡しする費用です。法要1回分程度が目安とされていますが、地域やお寺によっても請求額に差があります。

撤去工事の費用は、寺院墓地・公営墓地・霊園墓地など墓地のある場所、墓地の立地条件や墓石の規模(大きさや面積)によって異なります。また、お布施や離檀料の金額に不明点がある場合は、事前に寺院に確認しましょう。寺院との交渉が難しい場合、地域の石材店や弁護士に相談するのも1つの手段です。複数の石材店から見積もりを取り、条件を比較検討することが重要ですが、墓所によって指定の石材店が決まっている場合がありますので、見積もりを取る前に確認しましょう。

2-2. 新たな納骨先(改葬先)にかかる費用

日本の法律では遺体を埋めたり、遺骨を埋蔵したりできるのは、都道府県知事(または市長・区長)の許可を受けた「墓地」に限られます。自宅の庭など許可されていない私有地に遺骨を埋めることは法律違反となります。そのため、墓じまいをした後の遺骨を供養する新たな場所を用意しなければなりません。

新しい納骨先の初期費用 数万円~300万円程度
遺骨を納める新しい場所の費用で、墓地の種類によって価格差があります。
開眼供養(お布施) 3万~30万円程度
新しい納骨先で故人の魂を入れる儀式です。僧侶に依頼する際のお布施が含まれます。

新しい供養方法を選ぶ際は、費用だけでなく故人や家族の意向も重視しましょう。納骨先・供養方法によっては、将来的な再納骨ができないなど後戻りできない方法もあるため、慎重に検討することが不可欠です。

また、遠方の改葬先を選んだ場合は、将来的な供養費用や訪問の手間も考慮しておきましょう。

2-3. 行政手続きにかかる費用

墓じまいを進めるには、法律に基づいた行政手続きが必要です。手続きそのものは煩雑ではありませんが、書類取得に当たって以下の費用がかかる場合があります。

改葬許可申請書 無料~1,000円程度
改葬許可証を発行するための書類です。市区町村役場で取得します。
埋葬証明書(納骨証明書) 300~1,500円程度
現在の墓地管理者が発行する、遺骨が埋葬されていることを証明する書類です。
受入証明書(永代供養許可証) 無料~1,500円程度
新たな納骨先で遺骨を受け入れることを証明する書類です。
改葬許可証 無料~1,500円程度
すべての書類をそろえた後、市区町村役場で発行されます。

改葬許可証は、遺骨1柱ごとに発行が必要です。また、自治体によって必要書類は異なるため、事前に問い合わせることをおすすめします。

3. 墓じまい後の主な改葬・供養先|それぞれの費用相場も

墓じまいにかかる費用は、墓石の撤去費用だけでなく、その後の納骨先(改葬先)によっても異なります。どの供養方法を選ぶかによって、初期費用や今後の管理負担、参拝のしやすさが変わるため、事前に特徴を理解しておくことが重要です。

墓じまい後の供養方法にはさまざまな選択肢があり、それぞれメリット・デメリットが存在します。ここでは、代表的な6つの改葬・供養先を、特徴や費用相場とともに詳しく解説します。

3-1. 一般墓

一般墓への改葬は、購入した霊園・墓地に墓石を建て、従来と同じように遺骨を納める方法です。現在のお墓を移設したり、新たに墓地を契約して建て直したりするケースが多く見られます。

個別の墓所でお参りできるため、従来の供養スタイルを維持できる点が大きなメリットです。一方で、墓石代や土地代、管理費などがかかるため、費用負担は比較的大きくなります。また、将来的に管理する人がいなくなるリスクも考慮する必要があります。

一般墓に納骨する際の費用相場は、100万~1,000万円程度です。地域や立地、規模によって費用が大きく異なることを覚えておきましょう。

3-2. 永代供養墓

永代供養墓への改葬は、遺骨の管理・供養を行ってくれる寺院や霊園に遺骨を納める方法です。後継者がいない場合でも供養を任せられるため、近年では多くの人に選ばれています。

管理の手間がかからず、年間管理費が不要なケースが多い点がメリットです。一方で、一定期間を過ぎると他の遺骨と合祀されることが一般的で、個別での供養が難しくなる場合があります。

永代供養墓に納骨する際の費用相場は、15万~80万円程度です。納骨方法(個別・合祀)や施設によって費用に差があるため、事前にしっかりと確認しておきましょう。

3-3. 納骨堂

納骨堂への改葬は、屋内施設などに設けられた専用スペースに遺骨を納める方法です。ロッカー式や自動搬送式などさまざまな形式があり、都市部を中心に普及が進んでいます。

天候に左右されず快適に参拝できる点や、アクセスの良い立地にある施設が多い点がメリットです。一方で、施設によっては年間管理費が発生する場合があり、長期的なコストも考慮する必要があります。

納骨堂に納骨する際の費用相場は、30万~400万円程度です。設備や立地、納骨形式によって大きく変動する点に注意しましょう。

3-4. 樹木葬

樹木葬への改葬は、墓石の代わりに樹木や草花を墓標とし、その下に遺骨を埋葬する方法です。自然に還る供養方法として、近年注目を集めています。

比較的費用を抑えやすく、管理の負担が少ない点がメリットです。しかし、一度納骨すると遺骨を取り出せないケースが多いだけでなく、自由に納骨場所を選べない場合がある点に注意が必要です。

樹木葬に納骨する際の費用相場は、10万~400万円程度です。個別埋葬か合祀かによって費用が異なるため、希望する形式を事前に確認しておきましょう。

3-5. 散骨

散骨は、遺骨を細かく粉骨し、海や山などに撒いて供養する方法です。近年では、お墓を持たない供養方法として増えています。

維持管理の必要がなく、比較的費用を抑えられる点がメリットです。一方で、法律への抵触の可能性、漁業者との取り決めなどルールやマナーを確認し・配慮する必要があるため、自己判断での散骨はせず、専門の散骨業者に依頼しましょう。

散骨を行う際の費用相場は、5万~100万円程度です。セレモニークルーズなどの海洋散骨、立ち会いの有無や実施方法によって費用が変動することを押さえておきましょう。

3-6. 手元供養

手元供養は、遺骨の一部または全部を自宅で保管し、身近で供養する方法です。小型の骨壺やアクセサリーに納めるなど、さまざまな形式があります。

いつでも故人を身近に感じられる点がメリットで、お墓参りの負担がない点も特徴です。しかし、将来的に管理する人がいなくなった場合の対応や、紛失リスクについては事前に検討しておく必要があります。

手元供養にかかる費用相場は、数百円~60万円程度です。選ぶ供養方法や製品によって費用に幅がある点を理解しておきましょう。

4. 墓じまいの費用は誰が負担する?

墓じまいの費用については、法律で明確に「誰が負担する」と定められているわけではありません。

一般的にはお墓を管理・承継する立場にある人が負担するケースが多いとされていますが、近年は家族構成や価値観の変化によってさまざまな負担方法が選ばれるようになっているのも実情です。

ここでは、墓じまいの費用は誰が負担するのかについて、代表的な3つのパターンを紹介します。

(1)祭祀継承者(お墓の承継者)が負担する
一般的に最も多いのが、お墓を引き継ぐ「祭祀継承者」が費用を負担するケースです。祭祀継承者とは、お墓や仏壇を管理し、先祖供養を行う立場の人を指します。

民法では、祭祀に関する財産はこの継承者が承継するとされているため、その管理に伴う費用も負担するという考え方が一般的です。ただし、必ずしも1人で全額を負担しなければならないわけではなく、状況に応じて柔軟に対応することが重要です。

(2)家族や親族が費用を分担する
近年は、家族や親族で費用を分担するケースも増えています。核家族化が進み、「誰が家を継ぐか」が明確でない家庭も多いため、関係者全員で話し合い、負担を分け合う考え方が広がっています。

費用面だけでなく、墓じまい後の供養方法についても意見が分かれることがあるため、事前にしっかりと話し合いを行い、全員が納得できる形で進めることが大切です。

(3)生前に本人が負担する
墓じまいは、生前のうちに本人が費用を負担して行うケースもあります。特に、後継者がいない場合や、家族に負担をかけたくないと考える人が選ぶことが多い方法です。

また、実際に墓じまいを行わずとも、必要な費用をあらかじめ準備しておき、遺言書やエンディングノートに希望を記しておく方法もあります。事前に意思を明確にしておくことで、残された家族の負担やトラブルを軽減できるでしょう。

5. 墓じまいの費用を用意できない場合の対処法4つ

墓じまいや改葬には、墓石の撤去費用や閉眼供養のお布施、新たな納骨先の費用などがかかるため、総額が高額になるケースも少なくありません。特に複数の工程が重なることで、想定以上の負担となることもあります。

しかし、費用面の不安がある場合でも、負担を軽減するための方法はいくつか存在します。また、無理なく支払いを行うための制度やサービスを活用することも可能です。

ここからは、墓じまいの費用を用意できない場合に検討したい主な対処法を紹介します。

5-1. 家族や親族に協力を仰ぐ

墓じまいの費用は、必ずしも1人で負担しなければならないものではありません。お墓は家族や親族全体に関わるものであるため、関係者に相談し、費用を分担する方法も有効です。

特に、これまでお墓を共有してきた親族がいる場合は、それぞれの事情を踏まえたうえで負担割合を決めることが大切です。費用面だけでなく、今後の供養方法についてもあわせて話し合うことで、トラブルの防止にもつながります。

5-2. 分割払いのできる業者を探す

墓石の解体や撤去を依頼する石材店や業者の中には、分割払いに対応しているところもあります。一括での支払いが難しい場合は、分割での支払い方法を利用することで、「一度に大きな金額を支払うことの負担」を軽減することが可能です。

ただし、分割回数や手数料の有無、支払い総額などは業者によって異なるため、契約前に詳細を確認することが重要です。複数の業者を比較し、自分に合った条件で依頼先を選びましょう。

5-3. 自治体による補助金制度を活用する

自治体によっては、墓じまいや改葬に対して補助金や助成制度を設けている場合があります。すべての地域で実施されているわけではありませんが、条件を満たせば費用の一部を補助してもらえる可能性があります。

補助の内容や金額、申請条件は自治体ごとに異なるため、事前に役所の窓口や公式サイトで確認しておきましょう。利用できる制度がある場合は、積極的に活用することで負担を抑えられます。

5-4. メモリアルローンを活用する

墓じまいや供養にかかる費用に対応した「メモリアルローン」を利用する方法もあります。メモリアルローンとは、金融機関や信販会社などが取り扱う、葬儀や供養関連の費用を対象としたローンで、分割払いと同様に毎月の負担を抑えながら支払いが可能です。

まとまった資金を用意できない場合でも計画的に費用を支払える点がメリットですが、利息が発生するため総支払額が増える点には注意が必要です。無理のない返済計画を立てたうえで検討しましょう。

6. 墓じまいの費用を安く抑えるポイント

墓じまいにかかる費用は高額になりがちですが、工夫次第で節約が可能です。以下では、費用を抑える方法を2つ紹介します。

●複数の撤去業者から相見積もりをとる
墓石撤去にかかる費用は業者ごとに異なります。同じ作業でも数十万円以上の差が出る場合があるため、複数の業者から相見積もりを取るようにしましょう。費用を比較すれば、適正価格を把握しやすくなります。

ただし、撤去後の墓石が不法投棄されるリスクを避けるため、許認可を取得した信頼できる業者を選ぶことが重要です。また、墓地や霊園によっては工事業者が指定されている場合があるため、事前に確認しておきましょう。

●納骨先をしっかり選ぶ
納骨先の選択は費用を大きく左右します。中でも、合祀墓や散骨などの選択肢は費用を抑えやすい方法です。合祀墓は他人の遺骨と一緒に埋葬するため、費用が比較的低く抑えられます。散骨は遺骨をパウダー状にし、自然に還す方法で、管理費などが不要です。ただし、いずれも実施後の取り返しはつかないため、慎重に検討しなければなりません。

また、納骨堂も費用を抑えつつ利便性が高いことで人気の選択肢です。駅近や天候に左右されない環境でのお参りが可能で、合祀タイプでなければ転居に合わせて移動させることもできます。

納骨先を選ぶ際は、費用面だけでなく家族や親族との話し合いも欠かせません。適切な納骨方法を選べば、墓じまいを円滑に進められるでしょう。

まとめ

墓じまいは、墓石の撤去や新たな納骨先の選定、行政手続きなどを含む複雑な作業です。費用は約30万~300万円と幅があり、一般的には承継者が負担しますが、親族で協力するケースや生前に準備する例も増えています。

費用を抑えるためには、納骨堂や合祀墓など費用を抑えられる納骨先を選ぶことが重要です。費用が支払えない場合には、自治体の補助金制度やメモリアルローンを活用する手段もあります。家族や親族との話し合いを重ね、自分たちに合った選択肢を探せば、墓じまいを円滑に進められるでしょう。

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