終活のやることリスト10選|始めるタイミング・具体的な準備方法も
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「終活」という言葉を見聞きしたことがある方も多いでしょう。人生の最期に向けた活動である「終活」は2010年頃から注目され始め、多くの方が取り組んできた活動ですが、終活を行うことにはどのような意味があるのでしょうか。
この記事では、終活の意味や必要性、終活を始めるタイミングについて解説します。終活で取り組むとよい10の活動も併せて確認し、自分らしい人生の最期に向けて、自分のペースで少しずつ準備を進めていきましょう。
目次
1. 終活とは?必要性・始めるタイミングも
終活とは、人生の最期を自分らしく迎えるために取り組む活動・事前準備のことです。今後の医療や介護、保険に関する意向や自分の葬儀やお墓、納骨堂に関する希望、遺産相続の方針など、人生の最期に向けて準備する活動をまとめて「終活」と言います。
終活は自分の死や老いに向き合う活動ですが、決して辛く悲しいものではありません。終活を行うことには次のような必要性・メリットがあることを押さえておきましょう。
【終活を行う必要性とメリット】
- ・自分が亡くなった後の心配事や遺された家族・パートナーの負担を減らせる
・自分の最期に向けた心の整理ができる
・今後の人生をより充実したものにすることができる
通常、家族が亡くなると、遺された家族やパートナーは悲しみに浸る時間もなく葬儀や遺品整理、遺産相続の相談といった手続きに追われることとなります。終活を通して自分が亡くなったときのことを事前に決めて共有しておけば、遺された家族やパートナーの負担を軽減できるでしょう。
また、人生の最期に向けた心の整理を行うことで、自分の死に対する自身や家族・パートナーの不安を和らげることにもつながります。これまでの人生を振り返ることで、今後の人生をどのように生きるかを前向きに考えられるようにもなるでしょう。
「還暦を迎えた」「定年退職した」といったライフイベントを機に終活を始める方も少なくありませんが、終活はいつから始めても問題ありません。終活に興味を持ったときから少しずつ準備を進めていくとよいでしょう。
2. 【一覧表】終活のやることリスト10選
終活の進め方に決まりはありませんが、充実した終活を行うためには取り組むべきことを明確化し、一つひとつ着実に進めていくことが大切です。下記の終活のやることリストを参考に、自身の終活の進め方を考えてみましょう。
【終活のやることリスト10選】
- ・エンディングノートを作成する
・保有する資産の整理・見直しを行う
・医療・介護の希望を明確にする
・身の回りのモノを整理・処分する
・葬儀・お墓の事前準備をする
・交友関係を整理する
・遺言書を作成する
・老後の生活を計画する
・老後にやりたいことを明らかにする
・計画したことを誰に託すのか決める
ここでは、上記のリストにおける各項目について、取り組むべきことを具体的に紹介します。
2-1. エンディングノートを作成する
エンディングノートとは、「自分が人生の最期に望むこと」や「自分が亡くなった後のこと」について、家族やパートナーに伝えたいことを書き残すノートを指します。下記のような内容を押さえつつ、自分が大切な人に伝えておきたいことを自由に書き残しましょう。
【エンディングノートに書いておくとよい内容】
- ・氏名・生年月日・本籍地など
・自分史
・葬儀の希望
・もしものときに連絡してほしい方の連絡先
・遺言書の有無
・遺品の扱い
・重要情報とその保管場所(保険・年金手帳・マイナンバーなど)
・財産情報(所有する財産やその保管場所)
・医療や介護に関する情報・今後の希望
・各種契約の内容(公共料金・携帯電話・インターネットなど)
・デジタル情報(IDやパスワード、メールアドレスなど)
エンディングノートの作成は意外と難しいため、記載する内容に迷う方は専門家・アドバイザーに相談するとよいでしょう。また、エンディングノートの存在を伝えておくことも大切です。重要な情報を記載するノートであるため、普段は大切に保管しておき、家族やパートナーなど信頼できる方にのみ存在と保管場所を伝えておきましょう。
2-2. 保有する資産の整理・見直しを行う
自身が保有する資産の整理や見直しを行い、今後の人生に必要な資金を確保しておくことも大切です。十分な資産がある場合は、旅行やバリアフリー化のためのリフォームなど、生活をより豊かにすることもおすすめです。
また、資産の相続にあたって何らかのトラブルが発生する可能性がある場合は、事前に解決しておくことが大切です。家族やパートナーとよく話し合い、存命中に心配事を解消しておきましょう。
2-3. 医療・介護の希望を明確にする
医療や介護が必要になった場合に備えて、事前に自分の意思・意向をまとめておくことも大切です。
大きな病気やケガをした場合や認知症が進行した場合、自分の意思がうまく伝えられない可能性があります。延命治療や治療の方針、介護施設への入居希望の有無やサポートに関わってほしい方など、自分で判断して周囲に伝えられるうちに意思を伝えておきましょう。インターネットで情報を集めたり、主治医に相談したりすることもおすすめです。
2-4. 身の回りのモノを整理・処分する
遺された家族やパートナーにとって、遺品の整理は時間的にも経済的にも大きな負担になり得るものです。負担を軽減するためにも、自身の身の回りの荷物を片付けて、不用品があれば処分するようにしましょう。
また、スマホやパソコンを所有している場合は、デジタルデータの整理も忘れずに行ってください。使用しないデータや他の人に見られたくないデータは、早めに処分しておくと安心です。
2-5. 葬儀・お墓の事前準備をする
葬儀やお墓に関する希望がある場合は、元気なうちに準備と予約を進めておきましょう。葬儀会場や葬儀に参列してほしい方、遺影として使う写真、葬儀中の演出など、家族やパートナーとも話し合いながら決めることが大切です。
依頼する葬儀会社や墓地・納骨堂などが決まっている場合は、生前予約をしておくこともおすすめです。自分らしい葬儀が実現するとともに、遺された家族・パートナーが葬儀やお墓について悩む時間を減らすことにもつながるでしょう。
関連リンク:葬儀の生前予約とは|メリット・デメリットと予約の主な流れ
2-6. 交友関係を整理する
自分の交友関係を整理し、今後の付き合い方を考える機会を作りましょう。自分の人生にとってネガティブな影響を与えそうな人物とは、思い切って離れることも大切です。自分が本当に大切にしたい方とともに、残り少ない人生を晴れやかな気持ちで過ごしましょう。
また、自分が亡くなったことや通夜・葬儀に参列してほしいことを伝えたい相手がいる場合は、連絡先もまとめておきましょう。エンディングノートとともに保管しておくと、遺された家族・パートナーも連絡しやすくなります。
2-7. 遺言書を作成する
遺言書は必ずしも作成しなければならないものではありません。法律通りに遺産を分配したい方は、遺言書を残す必要がないことを押さえておきましょう。
しかし、遺産相続における家族・親族間でのトラブルを防ぎたい場合や、法定相続とは異なる相続を希望する場合は、遺言書の作成が必須となります。遺産相続に関する内容は、エンディングノートではなく、法的な効力のある遺言書に残しておきましょう。
2-8. 老後の生活を計画する
自分が所有する資金や医療・介護・葬儀などにかかる費用、相続のことを考慮した上で、老後の生活に使える資金について考えましょう。日々の出費や固定費を見直し、必要に応じてプランの変更やサービスの解約を行うことも大切です。
老後資金に関する見通しがついたら、老後の生活をどのように送るか計画を立てましょう。「マイホームを売却して手頃なマンションに移る」「仕事を○歳まで続ける」など、住宅や仕事に関する計画も考えてみてください。
2-9. 老後にやりたいことを明らかにする
終活には「遺された家族・パートナーの負担を軽減する」という目的もありますが、最大の目標は「自分らしく生きがいを持って過ごすこと」です。終活をポジティブに進めるためにも、自分が好きなことや老後にやってみたいことを明確化してリストアップしておきましょう。
老後に取り組みたいことが明確になっていれば、現時点ですべきことも明確になり、行動に移しやすくなります。充実した老後を送るためにも、生きがいにつながる活動について少しずつ考えていきましょう。
2-10. 計画したことを誰に託すのか決める
医療や介護のこと、葬儀のことなど、終活を通して決めたことやエンディングノートに書き残したことを誰に実行してもらうか決めておくことも大切です。
パートナーや自分の子どもなど、信頼できる相手にエンディングノートの内容や自分の思いを伝え、理解を得た上でお願いしておきましょう。
まとめ
終活とは、人生の最期を自分らしく迎えるために、資産の見直しや医療・介護の意向、葬儀・お墓の準備、遺言書の作成などを事前に進めていく活動を指します。終活を行うことで遺された家族やパートナーの負担が軽減されるだけでなく、残りの人生をより充実させることも可能です。興味が出たタイミングで終活に取り組み始めるとよいでしょう。
終活に取り組む際には、やるべきことを整理して着実に実行していくことが大切です。当記事を参考に少しずつ終活に取り組み、今後の人生がより自分らしく豊かなものになるよう行動していきましょう。