墓じまいの補助金制度|自治体ごとの例・補助金以外の費用の抑え方も
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墓じまいとは、現在のお墓を撤去して更地に戻し、遺骨を別の供養先へ移す一連の手続きを指します。少子高齢化やライフスタイルの変化により、お墓の継承者がいない・遠方で管理が難しいといった事情から、墓じまいを検討する方は少なくありません。一方で、墓石の撤去や改葬先の準備などにまとまった費用がかかる点に不安を感じる方も多いでしょう。
墓じまいにかかる費用を少しでも抑えたい場合は、自治体が実施している補助金制度や、費用負担の軽減につながる支援制度を確認しておくことが大切です。制度の内容は自治体によって異なるため、事前に情報を集めておくことで、無理のないかたちで墓じまいを進めやすくなります。
そこで今回は、墓じまいで活用できる補助金制度の有無から、自治体ごとの具体例、申請方法・手順、さらに補助金以外で費用負担を抑える方法まで詳しく紹介します。
1. 墓じまいで活用できる補助金制度はある?

墓じまいには、墓石の撤去費用や遺骨の移転費用、改葬先の購入費用などがかかり、費用相場は一般的に30万~300万円程度とされています。まとまった出費になるケースも多いため、できるだけ費用負担を抑えたいと考える方も少なくありません。
ただし、現時点では墓じまいそのものを対象とした国の補助金制度は設けられていません。墓じまいは、法律上「個人や家族の祭祀に関する行為」として扱われるほか、お墓も私有財産とみなされるケースが多く、公的支援の対象になりにくい側面があります。
一方で、自治体の中には墓じまいに関連する補助金制度や費用負担の軽減につながる支援制度を設けているところもあります。制度の内容や対象条件は自治体ごとに異なるため、事前に確認することが大切です。
2. 墓じまいの補助金制度を実施している自治体|制度詳細も

墓じまいに関する公的な支援は多くありませんが、一部の自治体では、墓地返還の促進や無縁墓対策などを目的として、費用負担の軽減につながる制度を設けています。
| 茨城県水戸市 | 返還協力金制度 |
|---|---|
| 千葉県浦安市 | 墓所返還者等支援事業 |
| 群馬県太田市 | 墓石撤去費用助成金制度 |
ここからは、墓じまいの際に活用できる補助金・助成制度の例として、上記3つの制度を詳しく紹介します。
2-1. 茨城県水戸市:返還協力金制度
茨城県水戸市では、市営墓地の返還を促進するための「返還協力金制度」を設けています。対象となるのは、使用許可日の翌年度から7年以上が経過しており、区画内に納骨をしたことがなく、墓地管理料に未納がない墓地の返還者です。
支給される協力金額は、下記の通り墓地の種別・区画によって異なります。
| 種別 | 区画 | 協力金額 |
|---|---|---|
| 浜見台霊園 | 特別霊域(4~36㎡) | 26,250円/㎡ |
| 第1種(12㎡) | 294,000円 | |
| 第2種(8㎡) | 168,000円 | |
| 第3種(6㎡) | 115,500円 | |
| 第4種(4㎡) | 70,000円 | |
| 堀町公園墓地 | 4㎡ | 70,000円 |
返還協力金制度に申請する際は、公園墓地返還申出兼協力金交付申請書をはじめとした各種必要書類を提出する必要があります。自治体が書類を確認後、墓地使用者に承諾通知書が送付され、約1か月後に指定口座に振り込まれるという流れが基本です。
2-2. 千葉県浦安市:墓所返還者等支援事業
千葉県浦安市では、墓地公園の通常墓所または小型墓所の使用者を対象に、「墓所返還者等支援事業」を実施しています。申請できる事業内容は、「合祀室改葬等許可制度」と「墓石撤去費等助成制度」の2つです。
合祀室改葬等許可制度は、墓所に埋蔵している遺骨の改葬先として合葬式墓地(合祀室)を利用できる制度で、改葬先の使用料を負担せずに墓所を返還できます。なお、希望者は、返還後に使用者本人や配偶者が入るための合祀室を1人35,000円で生前予約することも可能です。
墓石撤去費等助成制度では、返還区画の原状回復に要した墓石撤去費などに対して、上限15万円の助成を受けられます。両制度は併用申請も可能で、申請時には各種申請書などの必要書類を市役所へ提出する必要があります。
(出典:浦安市「墓所返還者等支援事業」)
2-3. 群馬県太田市:墓石撤去費用助成金制度
群馬県太田市では、八王子山公園墓地の無縁墓地対策の一環として、墓地返還に伴う墓石撤去費用への助成制度を設けています。対象となるのは、平成31年4月1日以降に八王子山公園墓地の返還届を提出し、墓石の撤去が完了していて、管理料の滞納がない利用者です。
助成額は、祭祀費用を除く墓石撤去費用として支払った額の総額、または20万円のいずれか低い額となります。なお、申請時には明細書や領収書などの提出が必要であり、返還届と同時ではなく、墓石撤去完了後に手続きを行う点にも注意が必要です。
3. 墓じまいの費用負担軽減に役立つ制度を実施している自治体|制度詳細も

自治体によっては、墓じまいそのものに対する補助金ではなく、墓所返還時の使用料還付や改葬先の使用料免除など、費用負担の軽減につながる制度を設けている場合があります。
ここからは、東京都・大阪府泉大津市・岡山県玉野市の制度を例に、墓じまいの費用負担軽減につながる支援内容を紹介します。
3-1. 東京都:施設変更制度
東京都では、都立霊園の一般埋蔵施設などを使用している方のうち、将来的にお墓の承継者がいなくなる方を対象に「施設変更制度」を設けています。
現在使用している墓所を返還し、納められている遺骨を都立霊園の合葬埋蔵施設へ改葬する制度で、合葬埋蔵施設の使用料が免除される点が特徴です。
なお、墓所の解体・撤去費用は使用者の負担となります。
3-2. 大阪府泉大津市:公園墓地還付金制度
大阪府泉大津市では、公園墓地を返還する際に、使用年数に応じて既納の永代使用料の一部が還付される制度があります。
還付率は使用開始からの経過年数によって異なり、15年未満であれば50%、15年以上30年未満であれば30%です。
一方、使用開始から30年を経過すると還付金は0円となるため、返還を検討している場合は時期にも注意が必要です。
(出典:泉大津市「公園墓地還付金について」)
3-3. 岡山県玉野市:霊地返還時の既納使用料の還付制度
岡山県玉野市では、霊地を返還する際に既納使用料の還付を受けられる制度があります。
還付率は霊地の使用状況によって異なり、原則として未使用で50%、使用済みで10%です。ただし、平成28年3月31日以前に使用許可を受けた方については、未使用で100%、使用済みで50%が還付される特例があります。
返還時には、原状回復を行ったうえで、返還届兼使用料還付請求書などの必要書類を提出する必要があります。
4. 墓じまいの補助金制度の申請方法・手順

墓じまいの補助金制度の申請方法や必要書類は自治体によって異なりますが、一般的には下記のような流れで進みます。
| STEP(1) | 墓じまいを検討している墓地の所在地を管轄する自治体が、補助金制度や助成制度を実施しているか確認する |
|---|---|
| STEP(2) | 制度の対象条件や申請期限、必要書類を確認し、申請書を入手する |
| STEP(3) | 申請書に加え、本人確認書類や住民票、墓じまい工事の見積書、改葬先に関する書類など、必要書類を準備する |
| STEP(4) | 必要書類をそろえて自治体へ補助金の交付申請を行い、内容の審査・受理を受ける |
| STEP(5) | 工事完了後、領収書や完了報告書などを添えて補助金の請求手続きを行い、支給を受ける |
補助金制度の中には、工事前の申請が必要なものや、年度ごとに申請期間が定められているものもあります。また、対象となる墓地や申請者の条件、添付書類の内容も自治体によって異なるため、事前に詳細を確認しておくことが大切です。
5. 墓じまいの費用負担を抑えるための「補助金制度の活用」以外の方法
墓じまいの費用負担を抑える方法は、補助金制度の活用だけではありません。
できるだけ費用を抑えたい場合は、まず複数の石材店や専門業者から見積もりを取り、工事内容や費用の内訳を比較することが大切です。必要に応じて価格交渉を行うことで、費用を抑えられる可能性もあります。
また、一括での支払いが難しい場合は、メモリアルローンを活用したり、家族・親族に相談して費用を分担したりするのも1つの方法です。
加えて、墓じまい後に改葬を予定している場合は、永代供養墓や合葬墓など、比較的費用を抑えやすい改葬先を選ぶことも、全体の負担軽減につながります。
まとめ
墓じまいの費用を抑えるためには、自治体の補助金制度や還付制度の有無を確認するだけでなく、複数の業者から見積もりを取ることや、改葬先の費用まで含めて全体の負担を比較・検討することが大切です。
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