位牌とは?必要性・種類・選び方など気になるポイントを徹底解説!

葬儀
2024.07.10
位牌とは?必要性・種類・選び方など気になるポイントを徹底解説!

この記事を書いた人

運営部主任 小林 雄志

葬儀・供養業界経験者。複数の霊園・納骨堂での勤務経験あり。
取得資格:終活コンシェルジュ

家族が亡くなり、葬儀や四十九日法要、お墓のことなどを考えている方の中には、「位牌」について見聞きしたことがある方も多いでしょう。親族や知人に「位牌は作らなくてもよいのか」と聞かれたものの、「位牌とは何か」「供養に必要なのか」など、準備を進めることを迷っている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、位牌の概要や歴史、供養における必要性について解説します。位牌を作るうえで知っておきたい位牌の種類や費用相場、位牌選びのポイントも併せて確認し、故人の供養に向けた準備を進めていきましょう。

1. 位牌とは

位牌とは、故人の戒名(法名・法号)や俗名、没年月日、享年(行年)が記された木牌(木の板)であり、故人の霊魂が宿る場所とされています。位牌は葬儀後から四十九日法要までに作製され、四十九日の忌明け以降は自宅の仏壇やお寺・納骨堂などの位牌壇に安置されることが一般的です。

位牌の歴史は非常に古く、その起源は後漢時代の中国までさかのぼります。後漢時代の中国では、儒教の習わしに基づき、故人の生前の官位・姓名などを木簡(木の板)に書いて祀っていたと言われており、これが現在の位牌の基礎になったと考えられています。

中国で行われていた位牌の風習・儀礼は、中国の儒教の影響を受けた禅宗によって鎌倉時代に日本に持ち込まれたとされています。江戸時代には世間に広く浸透し、一般庶民も仏壇や位牌を自宅に安置するようになりました。本来は仏教のものではない位牌ですが、現在では仏教における先祖供養で重要な役割をもつことを押さえておきましょう。

1-1. 位牌は必ず作るべき?

仏教において、位牌は故人の霊魂が宿る「依代(よりしろ)」としての役割を持つと考えられています。ご仏像(ご本尊)などと同様に、供養の際に手を合わせる対象の1つであるとともに、故人のつながりを感じられる仏具であるとも言えるでしょう。

一方で、キリスト教をはじめとする仏教以外の宗教・宗派では、位牌を作る風習はありません。また、仏教の中でも浄土真宗の方は「亡くなるとすぐ仏様になる」という考えに基づいて、位牌を作らず過去帳や法名軸を位牌の代わりに仏壇に安置するのが一般的です。

このように、仏教形式で故人を供養する場合は基本的に位牌を準備する必要がありますが、どの宗教・宗派でも必ず作るわけではありません。準備を適切に進めるためにも、事前に故人の宗教・宗派を確認しておくことが大切です。

2. 位牌を作るうえで知っておきたい「白木位牌」と「本位牌」

位牌は大きく分けて「白木位牌」と「本位牌」の2種類があります。白木位牌は、葬儀から四十九日法要を終えるまでの間に使用する位牌です。これに対し、本位牌は四十九日法要を終えてから自宅に安置する位牌であることを押さえておきましょう。

ここでは、白木位牌と本位牌のそれぞれについて、準備の進め方や位牌の作り方を解説します。

2-1. 白木位牌

白木位牌は、葬儀から四十九日法要を終えるまでの期間に使われる位牌であり、「仮位牌」や「野位牌」とも呼ばれます。仏教では、人は亡くなった後に四十九日の期間を経て成仏するとされています。白木位牌は、葬儀から四十九日法要を終えて成仏するまでの間に故人が霊魂を宿すための「仮の位牌」であると考えるとよいでしょう。

白木位牌は仮の位牌として使用されるため、本位牌と比べて簡素な作りとなっています。お寺や葬儀社が用意してくれる場合が多く、本位牌への入れ替えとともに処分する必要があります。白木位牌の処分は自分で行うこともできますが、お寺や霊園などに依頼し、永代供養やお焚き上げといった方法で処分してもらうことが一般的です。

2-2. 本位牌

本位牌は、四十九日法要を終えて故人が成仏した後に故人の霊魂を宿すための位牌であり、四十九日の忌明け後は常に仏壇に祀ることとなる仏具です。白木位牌とは異なり、遺族は仏具店などで購入する必要があることに注意しましょう。

なお、白木位牌から本位牌への移行は四十九日法要で行われることが一般的です。四十九日法要では「閉眼供養」を行って白木位牌から故人の霊魂を取り出し、続いて「開眼供養(魂入れ)」を行って本位牌に故人の霊魂を移します。四十九日法要でこれらの儀式を行うためにも、四十九日法要までに間に合うよう作成の準備を進めてください。

3. 本位牌の種類|それぞれの費用相場も解説!

本位牌は四十九日の忌明けから永続的に仏壇などに安置するものであるため、家族の状況に合ったものを選ぶことが大切です。本位牌には大きく分けて「礼位牌(板位牌)」と「回出位牌(繰出位牌)」の2種類があり、それぞれに下記のような特徴があります。

特徴
礼位牌 ● 個人または夫婦のみを祀るための位牌(主に1~2人用)
● 塗り位牌・唐木位牌・モダン位牌の3つの種類がある
回出位牌 ● 複数(6~8人)のご先祖様を1つの位牌で祀ることができる
● 位牌本体の中に、故人の戒名を記した木札を納める

ここでは、「塗り位牌」「唐木位牌」「モダン位牌」「回出位牌/繰出位牌」のそれぞれの特徴や費用相場について簡単に解説します。

3-1. 塗り位牌(札位牌)

塗り位牌とは、漆塗りした木材の表面に蒔絵や金箔・金粉などの装飾を施した位牌です。高級感のある見た目が特徴的で、伝統的な仏壇との親和性も高いため非常に人気があります。

塗り位牌の価格は、塗りの質によって大きく異なります。2万円以内で購入できるものもあれば、10万円前後の費用がかかるものもあるため、予算を考慮したうえで故人に合ったデザインの位牌を選びましょう。

3-2. 唐木位牌(札位牌)

唐木位牌とは、黒檀や紫檀など耐久性に優れた「唐木材」を使用した位牌です。木目の美しさをうまく活かしており、上品さや重厚さを感じられます。伝統的な仏壇との調和性も高く、特に唐木仏壇に祀る場合におすすめです。

唐木位牌の価格は、木材の品質により大きな幅があります。2万円前後で購入できるものもあれば10万円以上の費用が必要となるものもありますが、3万~7万円を目安に検討を進めてみるとよいでしょう。

3-3. モダン位牌

モダン位牌とは、位牌の基本的な要素を継承する一方で、現代の住まいやライフスタイルにマッチするようデザインされた位牌を指します。現代的なモダン仏壇(家具調仏壇)に調和する色合い・形のものが多く、材料のバリエーションも豊富であるため、従来の位牌と比べて個性を出しやすいでしょう。

モダン位牌は材質やデザイン、装飾などによって必要となる価格が変動します。高価なものでは20万円ほどの費用がかかる場合もありますが、7万~10万円を目安に予算を考えてみるとよいでしょう。

3-4. 回出位牌/繰出位牌

回出位牌(繰出位牌)は、戒名が記された位牌札を6~8枚ほど納められる位牌のことです。複数のご先祖様を祀りたい場合に使用されるケースが多く、年忌法要では対象となる故人の位牌札を最前にしたうえで執り行います。

回出位牌には木材に金箔などの装飾を施したものや、黒檀などの唐木材を使用したものなどがあります。価格は2万~5万円前後が相場であるため、この価格帯を目安として検討するとよいでしょう。

4. 位牌を選ぶポイント

浄土真宗ではそもそも位牌を作成する必要はありませんが、その他の宗派においても位牌の形や種類などの決まりごとは特にありません。位牌を選ぶ際には、故人にふさわしいものを選ぶとよいでしょう。

ただし、仏壇に合わせて位牌を選ぶ際には、「ご本尊の高さより位牌が高くならないこと」「ご先祖様の位牌よりサイズを小さくすること」がポイントとなります。夫婦の位牌は同じサイズに揃えるのが一般的であることも押さえておきましょう。

まとめ

位牌には四十九日法要までの期間に使用する「白木位牌」と、四十九日の忌明け後に永続的に安置する「本位牌」の2種類があり、本位牌にも複数の種類があります。それぞれ特徴が異なるため、家庭の状況に合わせて故人にふさわしい位牌を選ぶようにしましょう。

なお、位牌は自宅の仏壇だけでなく、納骨堂に安置できる場合もあります。東京周辺で納骨堂での供養を考えている方は、公共交通機関でのアクセスが良好で多様な供養プランを取り揃えている「了聞」へ気軽にお問い合わせください。

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