コラム

 

夫婦墓とは?主な種類からメリット&デメリット・納骨の流れまで

お墓の選び方は、時代とともに変化してきました。近年の少子高齢化や跡継ぎの問題から、先祖代々の墓地を維持・継承するのが難しくなる中、夫婦だけでも安心して入れるお墓のニーズが高まっています。

夫婦墓はその名の通り、夫と妻の2人で一緒に眠ることができるお墓です。比較的新しいお墓の形のため、名前を聞いたことはあっても夫婦墓の具体的な種類や納骨後の手続きなど、まだまだ知らないことも多いでしょう。

そこで今回、夫婦墓の概要や種類、納骨までの流れに加え、メリット・デメリットもしっかり解説します。自分たちに最適な夫婦墓を選ぶ際の参考として、ぜひご一読ください。

1. 夫婦墓とは?

夫婦墓(ふうふばか・めおとばか)とは、夫と妻の2人だけが納骨されるお墓のことです。夫婦のみが納骨されることを前提とするため、子どもや親といった他の親族は基本的に納骨されません。夫婦墓を選ぶ理由としては、「子どもがいない」「お墓を承継する必要がない」「実家のお墓に入りたくない」「夫婦だけの特別な場所が欲しい」などが一般的です。

夫婦墓には3人以上が納骨されるケースも存在します。例として、先立たれた夫が再婚し、前妻と後妻の両方が同じ夫婦墓に納骨される場合などです。納骨されるのは3人分でも、「夫婦」であることに変わりはないため、夫婦墓として扱われます。ただし、現代の夫婦墓は2人用が主流であり、3人以上を希望する場合は異なる区画の選択が必要となる墓地が大半です。

近年、夫婦墓においては「永代供養墓」が一般的となっています。永代供養墓は、お墓の維持や管理を霊園側が行い、遺族が管理の負担を持たない形となるため、特に子どもがいない夫婦や後の管理を悩んでいる方々に人気です。

2. 夫婦墓として使用できるお墓の種類3つ

夫婦墓は、夫婦2人のみで入ることを除けば、普通のお墓です。そのため、お墓の形や埋葬形態もさまざまにあります。

現在、夫婦墓に選ばれる埋葬方法の主流は、個別墓・樹木葬・納骨堂の3種類です。それぞれのお墓の特徴や費用相場を知ることで、夫婦の最後の場所選びに役立てられるでしょう。

ここでは、夫婦墓として使用できるお墓3種類の概要と費用の相場を紹介します。

2-1. 個別墓

個別墓とは、霊園の墓地区画を購入して専用の墓石を建てるお墓の形です。夫婦の名前を連名で墓石に彫刻でき、一定の期間は夫婦だけでの供養が行われます。供養の契約期間終了後は遺骨が他の遺骨と合葬され、墓石は撤去されるケースが一般的です。

先祖代々の家族墓がすでにあり、その墓地にスペースがあれば新たに墓石を建てて夫婦墓として追加する方法も選べます。ただし、この場合は夫婦の死後、墓地の管理をしてくれる家族がいることが前提です。

地域や霊園の条件によりますが、個別墓の一般的な費用相場は80万~150万円程度となっています。ただし、都心部ではこの範囲を超えるところも珍しくありません。

2-2. 樹木葬

樹木葬は、特定のシンボルツリーの下や周囲に遺骨を埋葬し、その樹木を墓石に見立てて故人を偲ぶ供養の形です。夫婦で樹木葬にする場合は、2人の遺骨を同じシンボルツリーの下に埋葬します。

費用相場は、他の人とシンボルツリーを共有する合葬方式と、夫婦だけのために植樹する個別埋葬方式のいずれを選ぶかによって異なります。合葬方式であれば40万円程度、個別埋葬方式の場合は70万~100万円程度が一般的な相場です。選ぶ方式により費用や供養のイメージが変わるため、夫婦の希望と予算に応じて選びましょう。

2-3. 納骨堂

納骨堂は、建物内に設けられたスペースに遺骨を安置する施設です。形態として、ロッカー式や仏壇式、自動搬送式などが存在します。

納骨堂の費用は、選ぶタイプや施設のグレード、地域によって大きく異なりますが、夫婦墓としての相場は期限つきの場合で60万~150万円程度です。同じ施設でも、利用期間や参拝室のグレードなどに応じて費用は変動します。

なお、納骨堂によっては料金の表記が1人分だったり、オプションの料金が別途必要となったりするため、詳細を十分に確認することが大切です。

3. 夫婦墓のメリット&デメリット

お墓の購入は人生においても重大な決断であり、大きなお金が動く買い物でもあります。夫婦墓を選択するか否かは、まず夫婦墓ならではのメリットだけでなくデメリットも理解した上で、慎重に判断しなければなりません。

ここでは、夫婦墓のメリットとデメリットをそれぞれ2つずつ解説します。

3-1. メリット(1)残された子どもや孫の負担がなくなる

夫婦墓のメリットとして特筆すべき点は、残された子どもや孫の負担を軽減できることです。通常のお墓には定期的な手入れや修理が必要となり、継承者の負担としてのしかかるケースが少なくありません。

しかし、永代供養つき夫婦墓の場合、墓の管理や供養は施設側が行います。遠方に住む子どもや頻繁に訪れることが難しい孫も、お墓の管理を気にせずに済むのは大きなメリットです。

管理費などの費用は生前の一括払いが主流であり、金銭的な負担を残す心配もありません。霊園が管理と供養を担ってくれるため、子どもがいない夫婦でも安心してお墓を持つことができます。

3-2. メリット(2)夫婦で自由にデザインを決められる

夫婦墓の魅力の1つは、お墓のデザインを自由に決められる点です。一般のお墓は多くの人の使用を前提とするため、デザインの選択に制約が生じる場合があります。

しかし、夫婦墓は2人だけのためのものです。誰に気兼ねすることなく、2人の好みや価値観を反映したデザインを選択できます。

例えば、特別な形や石材を選び、2人だけに通じる言葉やメッセージを彫刻するなど、オリジナル性の追求が可能です。夫婦墓は、夫婦の絆や思い出を形にする絶好のチャンスとも言えるでしょう。

3-3. デメリット(1)最終的には合祀墓に移される

多くのお寺の場合、夫婦墓には区画の使用期限が設けられており、この期限が過ぎると夫婦の遺骨は他の方と同じ合祀墓に移されます。

一度合祀されると、遺骨を個別に取り出したり、移動させたりすることは不可能です。使用していた墓石も撤去されるため、2人だけで選んだ専用のお墓の雰囲気は失われます。

また、合祀後の管理は基本的にお任せであり、管理方法への口出しはできません。残念ながら、不適切な管理が行われるケースも存在します。

しかし、了聞の室内合祀墓であれば、合祀後も丁寧な管理が約束されているため、そのような心配は不要です。夫婦墓を選択する際は、最終的な合祀墓の形も入念に確認しておきましょう。

3-4. デメリット(2)子どものお墓参りの負担が増えるおそれがある

夫婦だけの墓を持ちつつ先祖代々のお墓も維持する場合、子どもの世代は両方の管理を担い、お墓に参ることとなります。夫婦墓は管理供養を霊園に任せられる契約が多いものの、代々続くお墓の維持管理や法要は続けなければなりません。

結果として子どものお墓参りの場所が増えれば、かかる時間や手間も増大します。また、夫婦墓の管理料を払い切らないまま旅立ってしまうと、子どもの経済的負担となりかねません。以上の点を考慮し、子どもや親戚と十分に話し合ってから選択することが重要です。

4. 夫婦墓に納骨するまでの流れ

夫婦墓に納骨するまでの流れは、以下の通りです。

【STEP1】
霊園との契約
夫婦墓を建てるにあたって、選んだ霊園と供養の契約を結びます。料金は一括前納するケースが一般的です。霊園によっては契約時と1人目の納骨時で分割する方式を取っているため、必ず確認しましょう。
【STEP2】
亡くなった配偶者の納骨
2人のうち先に亡くなった方の遺骨は、残された配偶者が納骨します。分割払いで契約している場合はこの時点で残りの料金を支払う必要があるため、用意しておきましょう。
【STEP3】
2人目の納骨
2人目が亡くなった場合、子どもや遺族、もしくは死後事務執行者が納骨を行います。納骨先への支払いや契約に関する情報は、生前に子どもへ伝えておくとスムーズです。

子どもがいない場合や納骨をお願いする身近な人がいない場合、STEP2の段階で司法書士や弁護士と死後事務委任契約を結んでおきましょう。

まとめ

夫婦墓は、近年のお墓に対する価値観の変化や子どもに負担をかけたくないという思いから、選ばれることが増えています。個別墓や樹木葬、納骨堂など、夫婦墓にはさまざまな種類が存在し、独自のデザインや配慮が可能です。

永代供養つきの夫婦墓は死後の心配を減らせるメリットがありますが、家族への影響も十分に考慮して決断しなければなりません。お墓選びでは、2人の希望や価値観をしっかりとすり合わせ、理想的な形を見つけることが大切です。

 

この記事を書いた人

株式会社了聞 運営部主任 小林 雄志

株式会社了聞 運営部主任 小林 雄志

葬儀・供養業界経験者。複数の霊園・納骨堂での勤務経験あり。
取得資格:終活コンシェルジュ

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