護持会費とは?相場や主な内訳からよくある質問まで徹底解説!
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「護持会費」は、お墓の維持と管理のため、寺院や霊園に支払う重要な費用です。多くの場合、両親や祖父母が護持会費を支払っているため、子世代や孫世代の方がその存在を知るのは相続の段階になってからというケースも少なくありません。
当記事では、護持会費の概要と相場、主な内訳を解説します。よくある質問とその答えも紹介するため、護持会費について詳しく知りたい方はぜひ参考にしてください。
目次
1. 護持会費とは?
護持会費とは、寺院や霊園に対して支払う管理費です。
従来では、お墓を寺院の墓地に建てる場合、寺院との間で檀信徒契約を結び檀家としての責務を果たす必要がありました。契約した檀家が寺院の運営、ひいては家のお墓を守るために組成する護持会という組織が生まれ、その会費として徴収されるようになった費用が護持会費です。
近年は、寺院や霊園における管理費全般を指して護持会費と呼ぶことが多くなっています。
護持会費を支払うのは、基本的にそのお墓の継承者です。継承者とは、お墓に将来埋葬される予定の方を指します。多くの家庭では長男や長女が継承者としての責務を果たしていますが、明確なルールが存在するわけではありません。そのため、長男や長女が遠隔地に住んでいる場合など、家族構成や生活環境に応じて他の家族がその役割を果たすこともあります。
2. 護持会費の相場
護持会費の全体的な相場は、1年あたり1万~2万円程度です。ただし、寺院の規模やサービスの内容、霊園や墓地の運営母体、立地条件などによっても適正な価格は異なります。
公営の墓地は公共の福祉の一環として価格が抑えられていることもあり、1,500~5,000円程度と比較的安価です。民間の霊園では5,000~1万5,000円程度が相場となります。寺院の場合は6,000~2万円半ば程度が一般的ではあるものの、立地のよい霊園やサービスが充実した寺院では、10万円以上が相場となるケースも珍しくありません。
また、護持会費の支払い方法もさまざまです。年ごとの支払いではなく、複数年分を一括で支払える寺院もあります。護持会費の相場はあくまでも目安であり、実際の価格は選択する寺院や霊園によって大きく変わると理解しておきましょう。
3. 護持会費の主な内訳
護持会費とは、お墓や納骨堂の維持管理に必要な費用のことを指しますが、具体的にどのようなものに使われているのか疑問に思っている方も多いでしょう。護持会費の内訳は、日常のメンテナンスや供養の質に応じて変わります。
ここでは、護持会費の主な内訳を管理費としての項目別に解説します。
3-1. 整備・人件費
墓地や納骨堂の整備は、護持会費の主要な使われ方の1つです。訪れることが難しい方のために、管理者は墓地を清掃し、故人が安らかに過ごせる環境を提供しています。
墓石の劣化を防ぐための埃や泥の除去、雑草の取り除きなど、お墓には日々の維持管理が必須です。また、日常の供養やお盆、お彼岸などの行事にも対応しなければなりません。寺院や霊園のスタッフが行うこれらのサービスに対する人件費も、護持会費の重要な使途となっています。
3-2. 水道使用料
お墓参りには水が欠かせません。故人への供物や清掃のため、多くの水を使用します。また、墓参者が利用するだけでなく、管理者が行う日常の清掃でも水が必須です。
こうした用途のためにかかる水道料金は、護持会費の中でも大きな割合を占めています。さらに、室内の墓地や納骨堂の増加に伴い必要量が増えた電気や空調の光熱費などにも、護持会費から支払われるケースが一般的です。
3-3. 備品代
墓地の清掃やお供え物を行うためには、さまざまな備品が必要です。清掃用具やひしゃく、手桶といった道具をはじめとして、日常のメンテナンスに使用する多くの備品の代金が護持会費から賄われています。
備品の交換や新しい道具の導入が適切に行われることにより、墓参者が快適にお参りでき、じっくりと故人と向き合える環境が維持されています。
3-4. 修繕費
寺院や墓地が時間の経過とともに劣化や損傷が生じるのは避けられません。大がかりな改修ともなると別途寄付金が募られるケースが大半です。
しかし、小規模もしくは日常的な範囲の修繕であれば、護持会費によって寺院や墓地の美観や機能性を維持するために必要な修復や改修作業が実施されます。
3-5. 送迎費用
護持会費は、利用者の利便性向上やサポートを実現する重要な経費としても活用されています。例えば、寺院や霊園が提供する、シャトルバスなどの送迎サービスです。
墓参に訪れる方々の移動の手間や負担を軽減させるためのもので、大きな法事やお墓参りの際にしたことのある方も多いでしょう。送迎サービスの運行にかかる費用は、あらかじめ護持会費の中に含まれているケースがほとんどです。
4. 護持会費に関するよくある質問(Q&A)
ここまでで、護持会費に関する基本的な知識やその内訳、重要性は把握できたことでしょう。護持会費は寺院・霊園の運営やお墓の維持に欠かせませんが、それなりの金額が動くこともあり、支払いに関して疑問や不安を抱く方は少なくありません。
ここからは、護持会費の支払いに関する3つの疑問とそれに対する答えを、Q&A形式で紹介します。
4-1. 護持会費の支払い方法は?
護持会費の支払い方法は墓地によって異なります。民営霊園や公営霊園の墓地では、基本的に銀行口座からの引き落としです。年に一度の支払いが一般的なものの、複数年分をまとめて支払い可能な霊園も増えてきました。
一方、寺院墓地では支払い方法がお寺によってさまざまです。お盆やお彼岸の際に直接住職や檀家の代表に手渡しするところが多く、「護持会費」と表書きした封筒に入れて渡すのがマナーです。また、一部の寺院では口座振込にも対応しています。
支払い方法やタイミングが不明な場合、寺院や霊園に直接問い合わせて確認しましょう。各寺院や霊園のルールを理解し、滞りなく支払いを進めることが大切です。
4-2. 護持会費を支払うと檀家になる?
護持会費の支払いと檀家になることは、必ずしも関連しているわけではありません。寺院墓地にお墓を建てる際、寺院との檀信徒契約を結び、檀家として寺院の運営を支えるための護持会費を支払うケースが一般的です。
しかし、近年は檀家にならずともお墓を建てたり遺骨を納めたりできる、霊園や納骨堂が増えています。公営管理や民営管理の霊園や納骨堂における護持会費は、檀家の義務ではなく施設の管理と維持のために必要な費用としての位置づけです。あくまでも必要経費としての要求であることを理解しておきましょう。
4-3. 護持会費を支払えないとどうなる?
護持会費の支払いを怠ると、墓地の使用権を失いかねません。護持会費の滞納が続くと、お墓が無縁墓として撤去され、遺骨が共同墓地や合祀塔に移される可能性が高まります。そして、一度合祀塔に移された遺骨を再度取り出すことはできません。滞納が発生した場合、管理者に即座に相談し、対応策を探ることが大切です。
支払いが今後も難しいのであれば、墓じまいという選択肢も考えられます。墓じまいは、お墓を元の更地へ戻し、寺院に返却することです。ただ、墓じまいには離檀料が発生することもあるため、丁寧に交渉する必要があります。墓じまい後の遺骨は手元で供養する方法もありますが、護持会費なしの永代供養墓や納骨堂などへ移すのもよいでしょう。
まとめ
護持会費は、寺院墓地の維持・管理に必要な費用として、お墓の相続人が支払うお金です。護持会費の支払いが困難になった場合、お墓の使用が不可能になるリスクがあります。護持会費の支払いに不安がある場合は、墓じまいをして護持会費不要の永代供養墓に切り替える選択肢も検討してみましょう。
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