手元供養のメリット・デメリット4つ|手元供養以外におすすめの供養方法も

葬儀
2024.11.21
手元供養のメリット・デメリット4つ|手元供養以外におすすめの供養方法も

この記事を書いた人

運営部主任 小林 雄志

葬儀・供養業界経験者。複数の霊園・納骨堂での勤務経験あり。
取得資格:終活コンシェルジュ

近年は供養の形が多様化していて、遺骨を身近に置く「手元供養」という方法も登場しています。

故人の遺骨をどのように供養するかで悩んでいて、「手元供養とはどのような供養方法なのか」「デメリットがないか」が気になる方も多いのではないでしょうか。

今回は手元供養の方法を詳しく説明した上で、手元供養をすることで生じるデメリットを解説します。手元供養以外のおすすめの供養方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

1. そもそも手元供養とは?


手元供養とは、故人の遺骨や遺灰などを身近な場所で保管して供養する方法です。身近な保管場所として自宅を選んだ場合は「自宅供養」と呼ばれることもあります。

供養と言うと、遺骨をお墓へと納骨して、自宅には仏壇を設けて行う方法が昔から行われています。昔ながらの供養は一般的な仏教のしきたりに則ったやり方であるものの、お墓や仏壇の購入費用が必要です。

対して、手元供養はお墓や仏壇の購入が必ず発生するわけではなく、供養にかかる費用を抑えられます。遺骨が自宅などの場所にあることで、故人を身近に感じられる点も魅力です。

なお、遺骨を土に埋める場合は埋葬許可証が必要であるものの、自宅などの身近な場所に置く手元供養の場合は埋葬許可証は必要ありません。手元供養は違法ではないため、安心してください。

また、手元供養の方法は大きく分けて「全骨」と「分骨」の2種類があります。

全骨 遺骨の全てを身近な場所で保管する方法
分骨 遺骨の一部を手元に置き、残りはお墓に納骨する方法

分骨を選んだ場合はお墓を用意する必要があるため、手元供養をしても費用を大きく抑えられない点に注意しましょう。

1-1. 手元供養の方法・種類

手元供養をする際は、遺骨を収納するアイテム(手元供養品)が必要です。手元供養品にはいくつかの種類があり、アクセサリーとして身に着けたり、インテリア用品として飾ったりという方法があります。

代表的な手元供養の方法を3つ紹介します。

●アクセサリー
遺骨を入れられるペンダント・ブレスレットや、遺骨そのものをダイヤモンドなどの宝飾品に加工する方法です。アクセサリーとして身に着けることで、故人をいつでも身近に感じられます。

●ミニ骨壺
自宅に置いても目立ちにくいミニ骨壺で遺骨を保管する方法です。ガラス・真鍮・磁器などの素材やデザインにこだわったものもあり、保管場所の雰囲気に合わせて選べます。

●インテリア用品
手元供養品の中には、花器・ぬいぐるみ・オブジェなどのデザインを採用したインテリア用品があります。内部は遺骨を収納できるようになっていて、リビングや自室に飾って供養することが可能です。

2. 手元供養は良くない?主なデメリット4選


自由なスタイルで供養できる手元供養は、現代人にとって魅力的な供養方法と言えます。

しかし、手元供養には保管や供養に際してさまざまな問題点があり、デメリットも多いことが実情です。

手元供養を検討している場合に注意したい、4つのデメリットを解説します。

2-1. 遺骨管理の責任と手間が生じる

手元供養は遺骨を身近な場所で保管する方法であるため、遺骨管理の責任と手間が生じます。

たとえば遺骨を湿気の多い場所に設置したり素手で触れたりすると、遺骨にカビが生える可能性があります。手元供養では遺骨を風通しのよい場所に設置し、雑菌が触れないようにしなければなりません。

また、地震や水害などの災害時には手元供養品が落下・破損したり、最悪の場合は紛失したりする可能性もあります。特に手元供養品としてアクセサリーを選んだ場合は、紛失しないように外出時には身に着けないほうがよいでしょう。

2-2. 家族や親族の理解を得られにくい

遺骨を自宅などで保管することに対して、家族や親族の理解が得られない可能性があります。

昔は遺骨をお墓へと納骨することが当たり前でした。そのため、古くからの風習を大切にする方は、手元供養に対して「故人が成仏できない」「遺骨を分けることは縁起が悪い」という印象を持つことがあります。

「違法なのではないか」と尋ねられて、その都度説明に追われるケースもあるでしょう。

故人の供養方法を施主の都合だけで決めると、家族や親族との間にトラブルが発生するおそれもあります。手元供養を決める前に、家族や親族の意見を聞いてみることが大切です。

2-3. 家族以外のお参りが難しい

手元供養では遺骨が自宅などの身近な場所にあり、施主や家族がいつでも簡単に故人のお参りができます。

しかし、家族以外の方にとっては故人のお参りが難しくなる点がデメリットです。

たとえば親族がお参りをする際は、手元供養を行った施主の都合を尋ねなければなりません。施主の都合が合わない場合はお参りができないことになり、親族との関係に溝が生まれるおそれがあります。

遺骨がお墓や納骨堂などに納骨されていれば、親族は自由にお参りできます。そのため、手元供養は親族に余計な手間をかけてしまう方法と言えるでしょう。

2-4. 将来的な対応を考えておかなければならない

現在は手元供養で遺骨を保管している施主の方も、将来的には介護される立場になったり、亡くなったりすることがあります。自分が遺骨の管理をできない状態となった場合に、手元供養をしている遺骨をどうするかを考えなければなりません。

万が一何も伝えないままでいると、残された家族や親族が自宅にある遺骨を発見したときに困惑します。
また、将来的に遺骨をお墓へと納骨してもらう場合は埋葬許可証の取得が必要です。将来的な対応の方法によっては、家族や親族に余計な手間をかけることになる点もデメリットと言えます。

承継者がいない場合、遺骨の処理は法定相続人でなければ勝手にできないため、知人にお願いしていたとしても、対応ができません。遺言は財産に関することにのみ効力がおよぶため、遺骨の処理について書き残しても、法的効力はないものと考えておく必要があります。
最終手段として、行政に無縁仏として合祀してもらう方法もありますが、誰かがその手続きをしなければなりません。以上から、自信が管理ができなくなった場合の対応まで考えておく必要があります。

3. 手元供養以外の供養方法3つ


手元供養は遺骨の管理に意外な手間がかかり、家族・親族間のトラブルや将来の不安も起こり得る方法です。手元供養によるさまざまなデメリットをなくすには、手元供養以外の供養方法を選んだほうがよいでしょう。

最後に、多くの方に選ばれている手元供養以外の供養方法を3つ紹介します。

3-1. お墓への納骨

昔ながらの方法であるお墓への納骨は、現在も行われている最も一般的な供養方法です。

お墓へと納骨する場合は、遺骨を骨壺に入れて、お墓の地下にあるカロート(納骨室)に納めます。故人のお参りをする場合はお墓を訪ねればよく、家族はもちろん親族もお参りがしやすい点がメリットです。

ただし、新しくお墓を購入するには多額の費用がかかります。納骨できるお墓がもともとある方に適した選択肢です。

3-2. 海や山への散骨

散骨とは、遺骨を粉状に加工する「粉骨」を行い、自然へと還す供養方法です。埋葬許可証を取得した上で、粉骨した遺骨を海や山に撒きます。

海や山への散骨は、自然の中で故人に思いを馳せられます。故人の好きだった景色で送り出せる点もメリットです。

反面で、一度散骨をすると遺骨を二度と元に戻せず、寂しさを感じることもあります。

3-3. 納骨堂への納骨

納骨堂とは、屋内に遺骨を収蔵できる複数のスペースを設けた施設です。納骨堂への納骨ではお墓を購入する必要がなく、費用を抑えられる供養方法として人気があります。

納骨堂では永代供養をしてくれるところが多く、供養や管理の手間が大きくかからない点がメリットです。遺骨は厨子などの収蔵スペースに保管されるため、遺骨をそのまま残しておきたい方にも向いています。
承継者がいなくなった場合でも、永代供養してくれる納骨堂が比較的多いので、契約前に確認しておくとよいでしょう。

遺骨の供養方法で悩んでいる方は、永代供養付き納骨堂への納骨を検討することをお勧めします。

まとめ

遺骨を手元で保管する手元供養は、お墓の購入が必要なく、故人を身近に感じられるメリットがあります。

一方で、遺骨管理の責任と手間が生じたり、家族や親族との間にトラブルが発生したりする点がデメリットです。保管している遺骨を将来どうすればよいかも考えなければなりません。

手元供養はデメリットが大きいと感じる方は、紹介した3つの供養方法の中から選びましょう。特に納骨堂への納骨は費用や手間を抑えつつ、遺骨をきちんと残しておけるなど多くのメリットがある供養方法です。

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