納骨堂は生前予約できる?メリット・デメリットと選ぶポイントも

納骨 終活
2024.06.06
納骨堂は生前予約できる?メリット・デメリットと選ぶポイントも

この記事を書いた人

運営部主任 小林 雄志

葬儀・供養業界経験者。複数の霊園・納骨堂での勤務経験あり。
取得資格:終活コンシェルジュ

納骨の方法は昔に比べて多様化しており、故人の遺志や遺族の考えに合わせてメリットが大きい方法を選択できます。

近年、納骨先として納骨堂を利用する方が増えています。納骨堂の利用を検討している方は、生前予約(生前購入)についても理解を深めておきましょう。

今回は、納骨堂を生前予約するメリット・デメリット、生前予約をする際の流れを詳しく解説します。納骨堂選びのポイントも紹介するため、ぜひ参考にしてください。

1. 納骨堂の生前予約とは

納骨堂の生前予約とは、生きているうちに自身の納骨先となる納骨堂を購入することを意味します。「生前購入」とも呼ばれます。

終活の一環として納骨堂の生前予約を選択する方は、一定数存在します。位牌式の納骨堂では、生前予約をすると位牌に朱色で俗名や戒名が刻まれます。契約者が亡くなって納骨するタイミングで、白色に塗り替える決まりです。

なお、終活という言葉が広く知られるようになる以前から、生きているうちに自分のお墓を建てる「寿陵(じゅりょう)」という言葉があります。寿陵墓はいわゆる生前墓であり、長寿や子孫繁栄につながる縁起が良い行いです。

2. 納骨堂の生前予約をするメリット3つ

公営霊園や民営霊園には宗旨宗派を問わない納骨堂が多く、無宗教の方でも利用できます。納骨堂の生前予約には、ほかにもさまざまなメリットがあります。どのようなメリットがあるのか理解した上で、納骨堂の生前予約を検討しましょう。

ここでは、納骨堂の生前予約をするメリットを3つ解説します。

2-1. 理想やこだわりに適した納骨堂を選べる

生前予約をすると、自身の理想やこだわりを反映した納骨堂を選べます。

納骨堂と一口に言っても、環境・デザイン・供養の方法などは寺院や霊園によってさまざまです。時間があるうちに複数の納骨堂を比較してじっくり検討できるのは、生前予約の大きなメリットと言えます。

「静かで落ち着いた環境で眠りたい」「ペットと一緒に入りたい」など、希望に合った納骨堂を探してみましょう。理想やこだわりに適した納骨堂を契約しておくと、亡くなった後の手続きもスムーズとなります。

2-2. 残された家族の負担を軽減させられる

残された家族の負担を軽減できることも、納骨堂を生前予約するメリットの1つです。

家族が亡くなると、悲しみの中でさまざまな手続きを進めることになります。葬儀の準備や納骨方法など決めなければならないことが多く、精神的な負担は大きくなるでしょう。事前に利用する納骨堂が決まっていれば、残された家族はお墓探しに悩まずに済みます。

また、生前購入により金銭的な負担も軽減できます。管理費を一括払いできる納骨堂も増えているため、購入費用だけでなく管理費用にも注目して選びましょう。

2-3. 相続税対策になる

納骨堂の生前予約や管理費の一括払いは、相続税対策にもなります。

故人が保有していた財産は家族に引き継がれ、合計額が基礎控除額を超えると引き継ぐ家族には相続税を支払う義務が生じます。ただし、納骨堂やお墓は祭祀財産とみなされるため、相続税の課税対象にはなりません。

自身が保有する財産が基礎控除額を超える際は、納骨堂の生前予約や管理費の一括払いをして節税するのも1つの方法です。

3. 納骨堂の生前予約をするデメリット2つ

納骨堂の生前予約には、「自身の希望を反映できる」「節税効果が期待できる」などのメリットがある一方で、注意すべき点もいくつかあります。

デメリットを知らずに契約してしまうと、自身が亡くなった後にトラブルが発生する可能性もあります。家族全員が納得して契約できるように、あらかじめ納骨堂を生前予約するデメリットも把握しておきましょう。

次に、納骨堂の生前予約をするデメリットを2つ解説します。

3-1. 護持会費が生前予約後から発生する

護持会費とは、納骨堂を購入した方が運営側に支払う維持管理費です。多くの納骨堂では、生前予約をすると護持会費が発生します。納骨堂を利用予定の契約者が健在であっても、費用の支払いは続きます。

護持会費の相場は寺院や霊園の規模、立地条件などによって異なるものの、相場は年間1~2万円程度です。亡くなってから契約するケースと比べてトータル費用が高くなりやすく、無駄な支払いと感じる方も少なくありません。

中には納骨後から費用が発生する納骨堂もあるため、あらかじめ費用が発生するタイミングを確認しておくことが大切です。

3-2. 家族からの理解を得られない可能性もある

納骨堂のメリットが自分の考えに合っていても、家族からの理解が得られない可能性もあります。

生前に納骨堂を購入することに抵抗がある方や従来のお墓のスタイルと異なる点に違和感を覚える方もいます。また、一定期間後は合祀となる納骨堂が多く、個別に供養できなくなることに抵抗がある方も少なくありません。

自身だけの判断で納骨堂の生前予約をするのではなく、家族としっかり話し合った上で契約することが大切です。

4. 納骨堂で生前予約をする際の流れ

納骨堂で生前予約をする際の流れは、下記の通りです。

STEP1 情報収集・問い合わせ
納骨堂の資料を取り寄せて情報収集をします。施設によって特徴や魅力、費用やアクセス面が異なるため、内容を確認してある程度候補を絞り込みましょう。気になることは納骨堂に問い合わせて確認しておくと、利用するイメージをつかみやすくなります。

STEP2 事前見学
候補に挙げた納骨堂に足を運んで、実際の雰囲気やシステムを確認します。資料の写真と実際の雰囲気が異なるケースもあるため、可能な限り事前見学へ行きましょう。

STEP3 見積もり・契約
多くの納骨堂は、見積もりや相談が無料です。見積もりを取ってプランを決定し、納得のいく内容であれば契約に進みます。契約には本人確認書類や認印などが必要です。

STEP4 料金支払い
料金の支払いは、現金払いではなく振り込みが一般的です。一括払いのほか、ローン払いにも対応しています。

納骨堂の種類はさまざまあるため、複数の寺院や霊園を比較して家族も納得できる施設を探しましょう。

5. 納骨堂選びのポイント3つ

納骨堂の生前予約で失敗しないためにも、選び方のポイントを押さえておきましょう。

納骨堂選びで注目すべきポイントは、次の通りです。

●立地の利便性
納骨堂選びでは、立地の利便性に注目しましょう。

「複数の交通手段を使わなければならない」「最寄りの駅やバス停から遠い」などアクセス面が悪いと、家族が足を運びにくくなります。都心部の納骨堂は、公共交通機関での移動が中心となるため駐車場がない可能性もあります。

見学の際には、自宅から納骨堂までの移動距離や時間、アクセス手段などの確認が重要です。

●施設の雰囲気・担当者の対応
いくらプラン内容が希望に合っていてアクセス面や費用面が魅力的でも、スタッフの対応に問題があれば法要や参拝で嫌な思いをする可能性があります。施設の雰囲気や担当者の対応は資料だけでは判断が難しいため、実際に確かめることがポイントです。

見学時の雰囲気が良く、問い合わせ時の対応も丁寧な納骨堂であれば、故人も家族も安心して利用できます。

●参拝のしやすさ
納骨堂の参拝のしやすさは施設の種類によって異なります。残された家族が法要や参拝がしやすいように、システムやルールを確認しておきましょう。

自動搬送式納骨堂には個別に参拝スペースがあるのに対して、仏壇式やロッカー式はご遺骨の前で参拝します。参拝時間が決められている施設もあれば、24時間好きなタイミングで参拝できる施設もあります。家族と話し合って参拝しやすい納骨堂を選びましょう。

まとめ

終活の一環として納骨堂を生前予約する方も一定数存在します。納骨堂の生前予約にはメリットだけでなくデメリットもあるため、アクセス面や費用面をしっかり確認した上で家族の理解を得られる施設を探す必要があります。

東京都内にある「了聞」は、宗旨宗派不問で完全個室の参拝スペースがある納骨堂です。最寄り駅から徒歩3分の立地にあり、車イスでも利用できる完全バリアフリー設計となっています。納骨堂の生前予約を検討している方は、お気軽にお問い合わせください。

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