永代供養費用は誰が払う？種類別の費用相場・よくある質問も

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運営部主任　小林 雄志

葬儀・供養業界経験者。複数の霊園・納骨堂での勤務経験あり。
取得資格：終活コンシェルジュ

お墓の種類や供養方法が多様化している現代、永代供養を選ぶ人が増加しています。永代供養は、故人を末永く供養できる方法として安心感がある一方で、その費用や負担の分担について疑問に思う人も少なくありません。

結論から述べると、永代供養にかかる費用を誰が払うのかは、各家庭によって大きく異なります。また、供養の形によって費用の相場も変わるため、単に「誰が払うか」だけでなく、どれくらいの費用がかかるのかも含め、親族間で納得できる方法を話し合うことが大切です。

そこで今回は、永代供養の費用は誰が払うのかに加えて、種類別の費用相場やよくある質問について分かりやすく解説します。

1.　永代供養費用は誰が払う？

永代供養とは、故人の遺骨を管理者に預け、将来にわたって供養してもらう方法のことです。お墓の後継者がいない場合や、管理の手間を減らしたい場合に選ばれることが多く、墓地や納骨堂、樹木葬など、さまざまな形態で提供されています。

永代供養を利用する際には当然ながら費用が発生しますが、支払いについては「誰が負担すべきか」という決まりは法律上ありません。基本的には祭祀継承者（お墓を継ぐ立場の人）が支払うことが多いものの、家庭や状況によって支払者は異なります。

そこでまずは、永代供養の費用を誰が支払うことが多いのか、家庭ごとの典型的なパターンを具体的に紹介します。

1-1.　（1）祭祀継承者（お墓を継承する人）が払う

従来のお墓と同じ考え方で、永代供養の費用も祭祀継承者が負担するケースです。

一般的には長男や家族内でお墓を継ぐ予定の人が中心となり、納骨や管理費、供養料などをまとめて支払います。

祭祀継承者が支払う場合、供養にかかる費用や手続きの窓口を一元化できるため、親族間でトラブルが起きにくい点がメリットです。

ただし、費用が高額になる場合、祭祀継承者だけに大きな負担がかかりやすいことに注意が必要です。

1-2.　（2）家族・親族が分担して払う

永代供養の費用は、祭祀継承者だけでなく、複数の家族や親族で分担するケースもあります。兄弟姉妹や親族全員で均等に支払ったり、関係性に応じて割合を決めたりすることが一般的です。

費用を分担することで個人への負担を軽減できる一方、支払者や分担割合を事前に合意しておかなければ、後々トラブルの原因になる可能性がある点に注意しておきましょう。

1-3.　（3）本人が生前に払う

近年では、故人自身が生前に永代供養の費用を支払って契約するケースも増えています。

生前契約の場合、墓所にかかる費用は祭祀財産として相続税の控除対象にもなるため、子どもや親族に金銭的負担をかけずに済むほか、希望する供養の形や場所を自分で選べるメリットがあります。特に、跡継ぎがいない場合や親族間で費用負担を話し合うのが難しい場合には、有効な方法と言えるでしょう。

このように、永代供養費用の支払いは家庭の状況や関係性によって異なります。どのケースであっても、事前に親族で話し合い、納得した方法を決めておくことが大切です。

2.　【種類別】永代供養の費用相場

永代供養の費用は、お墓の種類や地域、施設の規模によって大きく異なります。一般的には5万円から200万円程度と幅が広く、同じ永代供養墓でも条件次第で費用が変わる点に注意が必要です。

ここでは、代表的な永代供養のできるお墓の種類ごとに、特徴と費用相場を紹介します。

2-1.　合祀・合葬墓（合同墓）

合祀・合葬墓とは、複数の遺骨を1か所にまとめて埋葬する形式のお墓です。個別の墓石を設けず、コンパクトで管理の手間が少ない点が特徴です。また、永代供養がセットになっている場合が多く、継承者がいなくても利用しやすいメリットがあります。
合祀の場合、遺骨を混ぜるのが一般的ですが、合葬墓（合同墓）の場合、個別に埋葬できるのが特徴です。他の人の遺骨と混ざることを懸念される方も多く、どの形式で埋葬されるのかを確認することをおすすめします。

合祀・合葬墓（合同墓）の費用相場は「約5万～30万円程度」です。今後遺骨を取り出す予定がなく、費用を抑えて手軽に供養したい人に適しています。

2-2.　集合墓

集合墓は、1つの墓石や区画内に複数の遺骨を納める形式のお墓です。合祀・合葬墓に比べると個別の空間が確保されるため、ある程度プライベート感が欲しい場合に選ばれます。管理の手間は少なく、永代供養も付帯しているケースが多いです。

集合墓の費用相場は「約20万～60万円程度」です。費用は抑えつつも、遺骨をしっかり分けて供養したい人に向いています。

2-3.　単独墓

単独墓は、個人または家族単位で専用の墓石や区画を設ける従来型の形式のお墓です。独立した墓碑を建てられるためプライベート性が高く、伝統的なお墓に近い形で供養できます。管理の手間はかかるものの、自由度の高さが大きな魅力です。

単独墓の費用相場は「約70万～200万円」です。立地や墓石の材質によっても費用が大きく変わる点に注意しておきましょう。

2-4.　樹木葬

樹木葬とは、墓石の代わりに樹木や草花を墓碑として遺骨を供養する形式です。自然に囲まれながら故人を眠らせることができます。合祀形式と個別埋葬の両方があり、場所によって費用や形式が異なります。

樹木葬の費用相場は「約5万～80万円」です。「自然に還る」供養を望む人や、比較的自由な形式で供養したい人に向いています。

2-5.　納骨堂

納骨堂とは、屋内に遺骨を安置できる施設です。掃除・管理の手間がほとんどなく、継承者がいなくても安心して利用できます。多くは駅近など好立地にあるため、天候に左右されずお参りできる点も大きな魅力と言えます。

納骨堂の費用相場は「約20万～200万円」です。自動搬送式やロッカー式、仏壇式などの種類によって大きく変動します。遠方の親族が多い人や、管理の手間を省きつつ安心して供養したい人に向いています。

3.　永代供養費用の支払いに関するよくある質問（Q&A）

永代供養の費用は誰が負担するのか、そもそも費用を左右する要素は何か、いつまで支払うのかといった点は、家庭の事情や契約内容によって大きく異なります。そのため、自分たちに合うのはどのような方法なのか悩む人も少なくありません。

最後に、永代供養費用の支払いに関するよくある疑問をQ&A形式で紹介し、迷った際の判断ポイントや注意点を解説します。自分たちに合った支払い方法を決めるためのヒントとして参考にしてください。

3-1.　Q1.誰が永代供養費用を払うか迷った際は？

永代供養費用を誰が払うか迷ったときは、まず祭祀財産の継承権が誰にあるかを確認することがポイントです。基本的には、祭祀財産の継承権をもつ人が第一候補となります。

しかし、継承者は原則1人に決まっており、すべての費用負担がその人に集中しやすい点には注意が必要です。負担を一方的に押し付けると親族間でトラブルになるおそれがあるため、事前に家族や兄弟と話し合い、場合によっては分担して支払うことも重要です。

3-2.　Q2.永代供養の費用を左右するポイントは？

永代供養にかかる費用を大きく左右するポイント（要素）としては、主に下記3つが挙げられます。

埋葬方法	個別安置の場合は費用が高くなる傾向があります。一方で、合祀・合葬墓のように複数の遺骨を共有する形式は、管理費やスペースの都合で比較的費用を抑えられます。
埋葬人数	同じ墓標に埋葬する人数が多いほど、スペースや管理にかかる費用が増えるため、割高になります。
立地・アクセス	都心や駅近など利便性の高い場所は、費用が高くなる傾向があります。反対に、車が必須となる郊外では比較的安価になる場合があります。

3-3.　Q3.永代供養費用はいつまで払うの？

永代供養費用の支払い期間は、契約内容によって異なります。合祀型の場合は初期費用のみで済むことが多いものの、単独型や集合墓など個別の永代供養墓では、管理費が継続的に発生する場合があります。

そのため、最初にかかる費用だけでなく管理費を誰がどのように負担するかも、事前に話し合って決めておくことが望ましいです。費用の負担や期間をあらかじめ明確にしておくことで、親族間でのトラブルを防ぎやすくなります。

まとめ

永代供養の費用は一般的に祭祀継承者が支払うケースが多いものの、必ずしも決まっているわけではありません。トラブルの発展や関係悪化が生じないよう、事前に家族や親族で話し合い、場合によっては費用を分担して負担を調整することが大切です。

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