ペットの遺骨を置いてはいけない場所4つ|そもそも自宅供養はOK?

納骨
2025.09.29
ペットの遺骨を置いてはいけない場所4つ|そもそも自宅供養はOK?

この記事を書いた人

運営部主任 小林 雄志

葬儀・供養業界経験者。複数の霊園・納骨堂での勤務経験あり。
取得資格:終活コンシェルジュ

家族同然の存在として日常生活に癒しや喜びを与えてくれていたペットの命が尽きたとき、多くの飼い主が直面するのが「遺骨の扱い」です。遺骨をどう管理するかは、ペットへの思いを尊重するだけでなく、住環境の安全や衛生面にも関わる重要な問題と言えます。

特に自宅での供養を考える場合は、遺骨をどこに置くかも悩ましいポイントでしょう。適切な供養場所を選ぶことは、ペットへの供養の気持ちを示すだけでなく、家族全員が安心して暮らすためにも欠かせません。

そこで今回は、ペットの遺骨を自宅に置く際に避けるべき場所とベストな置き場所について分かりやすく解説します。ペットの遺骨を自宅に置きたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

1. そもそもペットの遺骨を自宅に置いても良い?

家族同然の存在として過ごしてきた大切なペットとの別れを経験した後、自宅に遺骨を置きたいと考える方は少なくありません。その一方で、「自宅にペットの遺骨を置くのは縁起が悪いのでは」「違法ではないか」と不安に感じる方もいるでしょう。

実際のところ、ペットの遺骨を自宅に置くことは法的にも宗教的にも基本的には問題ありません。ただし、遺骨は「陰のエネルギーをもつ」「土に還すべき」といった考え方もあります。

最終的には飼い主自身の価値観や考え方を尊重して判断することが大切ですが、風水的な観点が気になる方は置き場所を工夫するのが最も望ましいでしょう。

2. ペットの遺骨を置いてはいけない場所

前述の通り、ペットの遺骨を自宅に置くこと自体には問題はなく、「ここに置かなければならない」といった決まりもありません。

しかし、置き場所が不適切だと遺骨が傷んだりカビが生えたりするおそれがあるため、湿気や直射日光、ほこりなどの影響を受けやすい場所は避けるのが望ましいでしょう。

そこで次に、ペットの遺骨を自宅に置きたいと考えている方に向けて、避けるべき代表的な場所を紹介します。

2-1. 湿気が溜まりやすい場所

湿気が多い場所に遺骨を置くと、骨や骨壺にカビが発生し、傷みが早まる可能性があります。

具体的には、洗面所や脱衣所といった水まわりのほか、結露が発生しやすい窓際、日光が差し込まない北向きの部屋などが該当します。

また、陶器や木製の骨壺は湿気に弱いため、風通しの良い場所に置くことが特に重要です。吸湿材を用いたり、骨壺をマスキングテープや養生テープでしっかりと密閉したりすることも効果的です。

2-2. 直射日光があたる場所

強い直射日光があたる場所も、避けるべき場所の1つです。直射日光は骨壺や遺骨を劣化させるだけでなく、色あせや変形の原因となる可能性もあります。

日差しの強い窓際や屋外近くの棚などは避け、遮光された場所に安置するのがおすすめです。

2-3. 不衛生な場所

ほこりやゴミがたまりやすい場所も、遺骨の衛生管理の観点から適しません。

特に、物置や倉庫、納戸など換気の悪い部屋や不衛生な部屋で長期間放置すると、カビや臭いの原因になりかねないため、掃除や換気が行き届く清潔なスペースを選びましょう。

2-4. 子どもの手が届く場所

ペットの遺骨を自宅に置く際は、温度や湿度など環境面だけでなく、置く位置の高さにも注意が必要です。

特に小さな子どもやほかのペットがいる場合は、手が届かない高い場所に置くのが望ましいでしょう。手の届く位置に置いてしまうと、誤って骨壺を倒してしまうリスクがあります。

子どもの手が届く高さの目安としては、1歳児が約90cm、2歳児は約110cm、3歳児で約120cm前後とされています。そのため、最低でも高さ130cm以上の位置に置くと良いでしょう。

また、人の出入りが多い部屋の扉付近は、たとえ大人でも不注意で落としてしまうおそれがあるため、できる限り部屋の奥側に置くことをおすすめします。

3. ペットの遺骨はどこに置くのがベスト?

大切なペットの遺骨は、自宅に置く場合でも置き場所次第で長く安心して供養することができます。湿気や直射日光、ほこりなどを避けるだけでなく、「ここに置くと気持ちが落ち着く」「心地よく供養できる」と感じられる場所を選ぶことも大切です。

ここからは、風水や日常生活の観点から見たペットの遺骨におすすめの置き場所を紹介します。

3-1. 「吉方位」にあたる場所

吉方位とは、九星気学や風水において「良い影響を与え、運気を高める」とされる方角のことです。

ただし、正確に方位を判別するには八卦盤や生年月日を用いた本命卦の計算が必要となるほか、日本風水ではその年の干支によって吉方位が変わる場合もあるなどやや複雑です。

そのため、迷った場合は「東南」の方角に置くと良いでしょう。東南の方角は陽の気が活発で、遺骨がもつ陰の気を中和できるとされています。

ただし、これらはあくまで風水的な考え方であり、科学的な根拠があるわけではありません。最も重要なのは、愛する家族が落ち着いて過ごせる場所に遺骨を保管することです。

3-2. ペットが好きだった場所

ペットが生前によく過ごしていた場所に遺骨を置くのもおすすめです。

例えば、お気に入りだったベッドの近くや日当たりの良い窓際など、ペットがかつて心地良く過ごしていた空間や思い出の場所に遺骨を置くことで、供養する側は「安心して眠れるように見守ってあげられるという気持ち」が生まれます。

ペットの存在や絆を常に感じながら日常生活を送れることから自然と心が和み、ペットがいなくなった喪失感を和らげる効果も期待できるでしょう。

3-3. 家族が集まる場所

ペットの遺骨は、家族が日常的に集まるリビングやダイニングに置くのも良いでしょう。家族のそばに遺骨を置くことで、ペットの存在を身近に感じつつ、会話や手入れを通して自然に供養することができます。

なお、リビングやダイニングに置く際は、湿気や直射日光のほか、誤って倒してしまうリスクには十分注意しておきましょう。棚や仏壇など、安定した場所に置くことがおすすめです。

4. ペットの遺骨の自宅供養に関するよくある質問(Q&A)

最後に、ペットの遺骨の自宅供養に関するよくある質問をQ&A方式で紹介します。

Q1. 人間の仏壇と同じ場所・部屋にペットの遺骨を置いても良い?
人のお仏壇とペットの遺骨を同じ場所に置くことは、宗教的・法的に問題はありません。ただし、風水やしきたりの観点から「別にしておいた方が良い」とされる場合もあります。家族が納得できる形で置き場所を決めることが大切です。

Q2.自宅供養と手元供養を併用しても良い?
自宅で骨壺に入れて遺骨を供養しつつ、一部を手元供養用の遺骨アクセサリーやミニ骨壺に分けて身近に置く方法に何ら問題はなく、家族それぞれが大切なペットを偲ぶ方法の1つと言えます。実家にペットの遺骨があり、家を出て一人暮らしを始める場合などにもおすすめです。

Q3. ペットの遺骨にカビが生えてしまうことを防ぐには?
遺骨は湿気や直射日光を避け、風通しの良い場所に保管することが基本です。骨壺の蓋をしっかり閉め、定期的に清掃や乾燥を行うことでカビの発生を防げます。

また、遺骨には素手で触れないようにしましょう。人の皮膚にはカビが好むミネラルやタンパク質が付着しているためです。遺骨に触れなければならなくなったときは、滅菌済みの手袋などを使用することをおすすめします。

なお、どうしても自宅で適切な置き場所が確保できない場合や定期的な管理が難しい場合は、ペット霊園や人とペットが一緒に入れる納骨堂の利用も検討してみましょう。

まとめ

大切なペットの遺骨を自宅で供養すること自体は何ら問題ありません。しかし、湿気や直射日光、ほこりの影響を受けやすい場所や子どもの手が届く場所は避けるのが望ましいとされています。反対に「思い出の場所」「家族が集まる場所」は、家族の安心感や日常生活での心の支えにもなります。

自宅で適切な置き場所が確保できない場合や定期的な管理が難しい場合は、ペット供養をしている霊苑等に相談してみてはいかがでしょうか。
ペット供養についてのご相談は、「了聞」でもお受けしております。お気軽にお問い合わせください。

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