永代供養でお布施が必要なケースとは?金額の目安・渡す際のマナーも

お墓
2024.07.10
永代供養でお布施が必要なケースとは?金額の目安・渡す際のマナーも

この記事を書いた人

運営部主任 小林 雄志

葬儀・供養業界経験者。複数の霊園・納骨堂での勤務経験あり。
取得資格:終活コンシェルジュ

お墓の維持管理や遺骨の継続的な供養を考えて、永代供養を選択する方が増えています。

永代供養は一般的な供養の方法と異なる部分がいくつかあるため、事前に違いやマナーを確認しておくと安心です。永代供養を検討している方は、僧侶へのお布施についても確認しておきましょう。

今回は、永代供養でお布施が必要なケースとお布施を渡す場合の金額目安を解説します。
お布施を渡すときの基本的なマナーも紹介するため、ぜひ参考にしてください。

1. 永代供養にお布施は必要?

永代供養とは、遺骨を納骨堂や永代供養墓で管理・供養をする方法です。一般墓のように寺院や霊園にお墓を建てることはありません。すでにお墓がある場合は、墓じまいをして遺骨を永代供養墓へ埋葬します。

永代供養の多くは、檀家と菩提寺の関係性にならないため、お布施が必要なのか疑問に思う方が多く見られます。

お布施とは、僧侶を通じて本尊に捧げる感謝の気持ちです。檀家になっている場合、法要時だけでなく彼岸会や盂蘭盆会などの行事でもお布施が発生します。

永代供養では、永代供養料にお布施が含まれているケースが一般的です。ただし、費用に含まれていないお布施が発生する場合は、都度僧侶に渡す必要があります。トラブルを避けるために、お布施が必要となるケースを事前に確認しておきましょう。

1-1. お布施が必要なケース

永代供養では、納骨法要や年忌法要が執り行われます。年忌法要のお布施は、永代供養料に含まれていません。一周忌・三回忌など節目に年忌法要を行う場合は、読経してもらう僧侶にお布施を渡す必要があります。

納骨法要のお布施は、契約内容によって必要かどうかが異なります。永代供養料に納骨法要のお布施代が含まれている場合は、個別にお布施を渡す必要はありません。含まれていない場合は、納骨法要時に僧侶へお布施を渡しましょう。

寺院や霊園によってお布施の考え方や永代供養料の内訳は異なるため、契約前に詳しく確認しておくことが重要です。

2. 永代供養におけるお布施の内訳と金額の目安

「お布施=本尊に捧げる感謝の気持ち」であるため、金額に明確な決まりはありません。自分が感謝の気持ちとして渡せる金額を用意しましょう。

いくら用意すればいいのか迷う方は、お布施の内訳と目安を参考にすると金額を決めやすくなります。

ここでは、永代供養におけるお布施の内訳と金額の目安を解説します。あくまで目安であるため、参考程度に留めましょう。

2-1. 読経料

読経料とは、僧侶にお経を読んでもらう場合に渡すお布施です。永代供養料にお布施代が含まれていない場合は、納骨法要と各種年忌法要で読経料が必要になります。

読経料の目安は、下記の通りです。

葬儀 約9万円〜15万円
初七日 約3万円~5万円
四十九日 約3万円~5万円
納骨 約3万円
新盆 約3万円~5万円
一周忌 約3万円~5万円
三回忌 約3万円~5万円

葬儀や年忌法要の1回あたりの読経料は、3万円~5万円です。葬儀の読経は、お通夜・葬儀・火葬前のタイミングで3回行われるため、合計約9万円~15万円かかります。葬儀と初七日をあわせて行う場合は、お布施は約12万円~20万円となります。

通常のお盆の読経料は、約1万円~2万円が相場です。新盆は手厚く供養するために、通常のお盆よりも多くお布施を渡す傾向にあります。

2-2. 戒名料

寺院の納骨堂や永代供養墓を利用する場合、仏教徒の証として戒名が必要となるケースがほとんどです。戒名料は、宗派やランクによって金額が異なります。

ランク別の戒名料の目安は、下記の通りです。

院号 約100万円以上
居士・大姉 約50万円~80万円
信士・信女 約10万円~50万円

戒名料は、戒名の作成を依頼したタイミングか葬儀終了後に渡します。

2-3. お車代・御膳料

お車代は、葬儀や法要で読経してくれる僧侶に対して渡す交通費です。御膳料は、葬儀や法要で提供する御膳の代わりに僧侶に渡すお金です。他のお布施と同じタイミングで渡しましょう。寺院で葬儀や法要を行う場合や僧侶が会食に参加する場合は、お車代・御膳料を渡す必要はありません。

お車代・御膳料の相場は、下記の通りです。

お車代・御膳料 5千円~1万円

なお、お車代・御膳料は僧侶個人に渡す交通費や会食費であり、厳密にいうとお布施とは意味合いが異なります。お布施に上乗せして渡すことも可能ですが、別々に包んで渡すのが理想です。

3. お布施を渡すときの基本的なマナー|書き方・包み方・渡し方

お布施の渡し方は、手渡しが基本と言われてきました。しかし、近年は銀行振込やオンライン決済サービスでのやり取りも増えています。

寺院や霊園によってお布施の渡し方は異なるため、事前に必ず確認しておきましょう。

ここからは、手渡しでお布施を渡す場合の基本マナーを詳しく解説します。

3-1. お布施の書き方

永代供養のお布施は、ボールペンや鉛筆ではなく黒い墨で書くのがマナーです。

お布施の表書き・裏面・中袋の書き方は、以下の通りです。

表書き ● お布施であることが伝わるように項目を記載する
● 項目の下には施主の名前をフルネームで記載する
裏面 ● 右上に金額、左下に施主の住所と氏名を記載する
● 中袋がある場合は裏面には何も記載しない
中袋 ● 表面に大きめの文字で金額を記載する
● 裏面の左側に施主の名前と住所を記載する

表書きの項目は、「お布施」「御布施」が一般的ですが、「御礼」「御経料」など地域によって書き方が異なる場合があります。親族や近所の方に確認しておくと安心です。

金額を書く場合は、旧漢字を使用します。「金参萬圓也」「金拾萬圓也」のように、「金」「也」の間に金額がくるように記載しましょう。

3-2. お布施の包み方

永代供養のお布施には、古札ではなく新札を用意します。香典は古札を用意するのがマナーですが、お布施は感謝の気持ちを示す意味合いがあるため新札を用いるのがマナーです。

お布施は、奉書紙または白封筒で包みます。白封筒で包む場合は、郵便番号欄や柄のないタイプを選びましょう。

お布施を奉書紙で包む手順は、次の通りです。

紙幣を奉書紙(中袋)で包む
1 奉書紙のざらざらした面を上にして少し斜めに置く
2 奉書紙の上に紙幣の肖像画を上向きにして置く
3 紙幣に合わせて奉書紙の上下を折る
4 紙幣の左側に合わせて奉書紙を折る
5 奉書紙の右側を紙幣に巻き付けるように折り込む
中袋を奉書紙で包む
1 奉書紙のざらざらした面を上にして縦に置く
2 奉書紙で包んだ紙幣を中央よりやや左下に置く
3 中袋を包むように奉書紙を左・右・下・上の順に折る

白封筒でお布施を包む場合は、紙幣の肖像画が表面を向くようにそろえて封筒に入れます。二重封筒は「不幸が続く」と連想されるため、お布施に使うのはNGです。

3-3. お布施の渡し方

永代供養のお布施は、僧侶への敬意を払うために袱紗(ふくさ)に入れて持ち歩くのがマナーです。袱紗は、弔事に適した寒色系のものを選びましょう。

僧侶にお布施を渡す場合は、読経の前後に袱紗や切手盆の上に乗せる形で差し出します。お布施が僧侶のほうを向くように置くのがポイントです。

「遠方よりお越しくださりありがとうございます」「よろしくお願いいたします」「どうぞお納めください」など、感謝の気持ちが伝わる言葉を述べて渡します。

まとめ

永代供養では、年忌法要でお布施が必要となるケースが一般的です。永代供養料にお布施代が含まれていない場合は、納骨法要でも個別に用意する必要があります。

お布施には、読経料・戒名料・お車代などがあり、それぞれ金額の目安が異なります。ただし、あくまで目安であるため、感謝の気持ちとして渡せる金額を用意すれば問題ありません。

お布施の渡し方には、基本のマナーがいくつかあります。不安や疑問な点があれば、寺院や霊園に確認しておきましょう。

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