身辺整理はどうする?死ぬ前にやっておきたい9つのことを解説!
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終活という言葉が広く知られるようになり、残りの人生を悔いなく生きるために身の回りの整理を始めたいと考える方が増えています。
一方で、「身辺整理とは具体的に何をすればいいのか」「身辺整理のタイミングはいつなのか」など疑問を持っている方もいます。気になる疑問を解決して、まずはできることから始めましょう。
今回は、身辺整理の概要と主な目的、身辺整理を始めるタイミングや具体例について解説します。片付けのコツや検討しておくべきことにも触れるため、ぜひ参考にしてください。
目次
1. そもそも身辺整理とは?
身辺整理とは、単純に身の回りを整理して生活環境を整えることを意味します。しかし、終活の一環として行う身辺整理は、「自分が死ぬ前に身の回りを整理する」という意味で使われます。住んでいる家や部屋を片付けるだけでなく、財産や契約の整理も対象です。
ここからは、身辺整理の目的と始めるタイミングについて解説します。
1-1. 身辺整理の目的
身辺整理の主な目的は、次の2つです。
● 残りの人生を快適に過ごす
● 残される家族への負担を軽減する
不要な物を処分して家や部屋をすっきりさせることで、快適に過ごしやすくなります。必要な物や大事な物が明確になれば、残りの時間をどのように過ごしたいかイメージしやすくなるでしょう。
また、遺品や財産、さまざまな契約の整理がされていない状態で亡くなると、残された家族の負担が大きくなります。できるだけ身の回りを整理しておくことで、亡くなった後の家族の負担を軽減できます。
1-2. 身辺整理を始めるタイミング
身辺整理を始めるタイミングには、明確な決まりがあるわけではありません。ライフスタイルの節目や体調の変化など、自分のタイミングで始めましょう。
身辺整理を始めるタイミングで多い節目は、下記の通りです。
● 定年
● 子どもの独立
● 引っ越し
● 介護施設への入居
● 病気
定年を迎えたり子どもが成長して独立したり、ライフスタイルが変わるタイミングで身辺整理を始める方が多く見られます。新しい生活が始まるタイミングで身辺整理をする方もいれば、がんなどの病気が判明したことで万が一に備えて身の回りを整える方もいます。
2. 【身辺整理】死ぬ前にやっておくべきこと9選
身辺整理をすべき事柄は、部屋・財産・人間関係・個人情報などさまざまです。亡くなった後の手続きや葬儀の手配なども含めて、体が動くうちに取り組んでおきましょう。
ここからは、死ぬ前にやっておくべき身辺整理を9つ紹介します。
2-1. 部屋の片付け・不用品の処分
終活における身辺整理で思い浮かべる方が多いのが、部屋の片付けと不用品の処分です。通常の片付けは整理整頓が目的であるのに対して、終活の場合は「断捨離」に近いと言えます。不用品は思い切って手放し、片付け後の手元には「使う物」を残しましょう。
部屋の片付け・不用品の処分は、以下の流れで行います。
1 | 残す物と処分する物に分ける |
---|---|
2 | 業者に依頼して運び出してもらう |
まずは家具や家電など大きくて存在感のある物から片付けるのがポイントです。「片付いた」「すっきりした」という気持ちは、身辺整理を続けるモチベーションになります。
不用品の処分は自治体のルールに従って行う必要があるため、不用品が多い場合は業者に任せたほうが効率的です。せっかく処分すると決意しても、見える場所に置いたままだと気持ちが変わってしまうこともあるため、短時間で処分してくれる業者を利用したほうが一気に片付きます。
2-2. 資産・財産の整理
故人の資産・財産は、法定相続人が相続することになります。残された家族が資産・財産をスムーズに把握できるように、エンディングノートに財産目録を記載しておきましょう。
財産目録に記載すべき資産・財産の具体例は、下記の通りです。
● 預貯金
● ローン
● 株式
● 不動産
● 生命保険
銀行口座は名義人が亡くなったことが判明次第、凍結されます。名義人が亡くなると口座内のお金を動かすのに手間と時間がかかるため、残高をまとめたり不要な口座は解約したり整理しておくことが大切です。
生命保険の受取人を契約時から変更していない場合は、現在の意向を反映できるように一度内容を見直してみましょう。
2-3. 人間関係の整理
人間関係を整理することで、残りの人生で関わりを大切にしたい人が明確になります。身辺整理は、考え方が大きく異なる人や一緒にいることが苦痛に感じる人との関係を断ち切るきっかけになります。
深い付き合いのある人や大切にしたい人は、最期のお別れができるようにエンディングノートに連絡先をまとめておくのがおすすめです。財産相続の権利がある人の情報も記載しておくと、家族の負担を軽減できます。
2-4. 個人情報の整理
パスワード・契約者番号・口座番号などの個人情報は、他の人に知られないように管理する必要があります。しかし、個人情報が分からない状態だと、亡くなった後の諸手続きに手間と時間がかかるため、家族が把握できるように整理しておくことが大切です。
リスト化した個人情報を金庫で保管したり情報を暗号化して解き方を伝えたり、他の人に悪用されないように工夫が必要です。
2-5. デジタルデータの整理
スマホやパソコンには、写真や動画などのデジタルデータが保存されています。亡くなった後に家族に知られたくない内容があれば、あらかじめ削除したりロックをかけたり対策を講じておきましょう。不要なデータの削除は、情報の悪用を防ぐ上でも重要です。
また、SNSを利用している場合は、自分が亡くなった後の訃報の記載やアカウントの削除などの要望があれば家族に伝わるようにしておく必要があります。
2-6. 利用サービスの整理
有料サービスは解約しない限り料金が発生するため、亡くなった後も支払いが続く可能性があります。故人が契約したサービスを家族が解約するには、手間と時間がかかるため注意しましょう。
公共料金・携帯電話・ネットサービスなど現在利用しているサービスは、料金を含めて一覧にしておきましょう。利用していないサービスは事前に解約しておくと家族の負担を軽減できます。
2-7. 介護・医療の意思表示
病気やケガで意思を伝えられなくなった場合に備えて、介護・医療の意思表示を形に残しておくことも大切です。本人の意思を確認できる物があれば、家族や医師が治療方針を決定しやすくなります。
「延命治療は望まない」「最期は介護施設で過ごしたい」「最期を迎えるにあたって救急車を呼ばないでほしい」など、万が一を想定して意思をまとめておきましょう。
2-8. 身元引受人の決定
身寄りのない方は、身元引受人を決めておくことも重要です。介護施設への旧居時や医療機関への入院時には、身元保証人を立てるように求められます。
身元引受人を決めておくことで、介護施設への入居や病院への入院がスムーズになります。身寄りがなく身元引受人を頼める人がいない場合は、身元保証会社や専門業者を利用して身元引受人を確保することが可能です。
身元引受人については、以下の記事で詳しく解説しています。
関連リンク:身元引受人とは?必要なケース・役割・見つからない場合の対処法も
2-9. 葬儀や埋葬の準備・生前墓(寿陵)の検討
葬儀や埋葬の手配は、家族や親族が行うのが一般的です。葬儀のスタイルや埋葬方法に要望がある場合は、エンディングノートや遺言書に記載しておきましょう。参列者の連絡先をまとめておくことで、家族の負担を減らせます。
近年は、葬儀の生前予約や生前墓(寿陵)を選択する方も増えています。生前墓は相続税がかからない祭祀財産であるため、節税対策として検討される方が増えているようです。
まとめ
身辺整理のタイミングは、ライフスタイルの節目や体調の変化など人それぞれです。身の回りの整理に興味が出てきたら、できることから少しずつ始めてみましょう。
身辺整理には、部屋の片付けや不用品の処分の他に、資産や財産、人間関係やデジタルデータなどの整理なども含まれます。エンディングノートや遺言書も活用しつつ、いざというときに備えましょう。
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