「お墓はいらない」と考えた場合の供養方法|墓じまいの方法も
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かつてはお墓を代々受け継いで先祖を弔うことが当然とされてきましたが、供養の在り方が変わりつつある近年では、「お墓はいらない・もたない」と考える人も増えています。
お墓はいらないと判断する理由には、維持管理にかかる費用や手間の削減だけでなく、遠方に済む家族が増えたことによる参拝の難しさなど、現代ならではの事情が多く挙げられます。
今回は、お墓を建てないことのデメリット・リスクやお墓はいらないと考えた場合の主な供養方法、さらに墓じまいを行う際の手順について詳しく解説します。
目次
1. お墓の役割・意味

お墓と聞いて「遺骨を納めるための場所」というイメージを浮かべる人も多くいますが、単に遺骨を納めるためだけの場所ではありません。
お墓は、故人を偲び、家族が心を落ち着けて手を合わせる「供養の場」としての役割を果たしています。日常の喧騒から離れ、お墓の前で静かに故人を思う時間は、遺族にとって心の整理をつける大切なひとときでもあります。
また、お墓には故人の名前が刻まれており、その存在や生きた証を後世に伝えるという意味もあります。さらに、命日や年忌法要などを通して家族や親族が集まり、絆を確かめ合う場所としての役割も果たしています。
このように、お墓は個人の記憶をつなぐだけでなく、家族のつながりを守り続ける大切な存在と言えるでしょう。
2. 「お墓はいらない」と考える人が増加する背景
近年、「お墓はいらない」と考える人が急増しています。その背景には、檀家制度などに支えられてきた「先祖代々のお墓を守る文化」が、現代の価値観や社会構造の変化によって揺らいでいることが挙げられます。ここでは、具体的な理由・事情について説明します。
●継承者がいないため
少子化や未婚率の上昇、核家族化の進行により、お墓を引き継ぐ人がいない家庭が増えています。かつては長男が墓を継ぐのが一般的でしたが、今では子どもを持たない夫婦や遠方に住む家族も多く、維持が難しくなっています。
●金銭的な負担が大きいため
お墓の建立には墓石代や区画の購入費などで100万円を超えることもあり、さらに管理費や修繕費も発生します。墓石の老朽化や自然災害による損傷があれば多額の修繕費がかかる場合もあり、経済的な負担は決して小さくありません。
●お墓に対する考え方が変化したため
かつてお墓は「一家として守るもの」とされてきましたが、個人主義が強まった近年では「個人としてどう供養したいか」へと意識が変わりつつあります。散骨や樹木葬、手元供養など自分らしい供養を選ぶ人が増えており、お墓を不要とするケースも珍しくなくなっています。
3. お墓を建てないことのデメリット・リスク

お墓を建てないという選択には、墓石の購入費や管理費をかけずに済む、またお墓参りにかかる時間や手間を減らせるといったメリットがあります。
しかしその一方で、精神面や人間関係の面において、いくつかのデメリットやリスクが生じる可能性もあります。
そこで次に、お墓を建てないことによる代表的な2つのデメリット・リスクを紹介します。
3-1. 「いつでも気軽に参拝できる場所」がなくなるおそれがある
お墓をもたないという選択をした人の中には、遺骨を特定の親族の家で保管したり、海や山などへ散骨したりするケースもあります。しかしこのような場合、誰もが共通して手を合わせられる「参拝の場」が存在しなくなります。
特定の親族の家で遺骨を保管していると、手を合わせたいときにその家の人へ連絡を取って日程を調整する必要があります。気軽にお参りすることが難しくなるほか、その煩わしさから次第に足が遠のいてしまうケースも少なくありません。
お墓があるからこそ、ふと思い立ったときに訪れて故人を偲ぶことができます。こうした場所の存在自体が、供養を続ける上で大きな意味をもつのです。
3-2. 家族・親族とのトラブルにつながるおそれがある
お墓を建てないという判断は、すべての家族が同じ意見とは限りません。なかには、先祖代々のお墓を守ることを大切にしている親族もおり、「お墓はいらない」という考えに強く反発される場合もあります。
特に、事前の話し合いをせずに墓じまいを進めたり、反対を押し切って強行したりすると感情的な対立を招きやすく、関係が悪化するおそれもあります。
お墓をもたない選択をする場合は、家族や親族としっかり時間をかけて話し合い、なぜその選択をするのか、どのように供養を続けていくのかを共有することが大切です。
相手の思いを尊重しながら理解を得ることで、不要なトラブルを防ぎ、円満な形で次の供養方法へと進むことができるでしょう。
4. 「お墓はいらない」と考えた場合の供養方法4つ

「お墓はいらない」と判断した人であっても、基本的に何らかの形で供養の場を設けています。
ここからは、お墓を建てない場合の代表的な供養方法を4つ紹介します。自分や家族・親族に合った形を考えるためにも、それぞれの特徴をしっかり理解しておくことが大切です。
4-1. 納骨堂
納骨堂とは、墓石に代わるお墓の一種で、遺骨を安置できる屋内施設のことです。天候に左右されずお参りできる点や、掃除・草むしりといった管理の手間がかからない点が特徴です。
納骨堂と一口に言っても、自動搬送式やロッカー式、仏壇式などさまざまな種類があり、それぞれ費用も大きく異なります。永代供養がついたプランを設けている納骨堂も多くあるため、継承者がいなくても安心して利用できます。
また、納骨堂は比較的交通アクセスの良い立地に建てられることが多く、遠方からでも気軽に訪れやすい点も魅力です。総合的に見ると、現代に最も適した供養方法と言えるでしょう。
4-2. 樹木葬
樹木葬とは、墓石の代わりに樹木や草花を墓碑として故人の遺骨を供養する方法です。墓碑となる樹木や草花は「シンボルツリー」とも呼ばれます。
樹木葬では、基本的に森や庭園の一角に遺骨を埋葬するため、故人は木々に囲まれながら眠る形となります。「自然に還る」という考え方をもつ人にとっては、最も適した供養方法と言えるでしょう。
ただし、樹木葬は郊外に多いことから、アクセスがやや不便な場合もあります。また、複数人の遺骨をまとめて埋葬する合祀形式では、後から個別に遺骨を取り出せない点にも注意が必要です。
4-3. 散骨
散骨は、火葬後の遺骨を粉末状にして海や山などの自然に撒く供養方法です。
墓地や納骨堂、樹木葬などのように「遺骨が眠る場所」がないことや、ほかの供養方法に比べて費用を抑えられる点が特徴となっています。「自然に還る」という考え方を重視する人に選ばれることが多く、自由度の高い供養方法と言えます。
一方で、散骨は「墓地、埋葬等に関する法律」により勝手にどこにでも散骨できるわけではないので注意が必要です。また、個人が庭などに墓地をつくることは法令上認められていません。場合によっては「死体遺棄」とみなされるリスクもあります。
さらに、自治体によって散骨可能な場所を限定しているケースや、散骨場所によっては周囲への配慮も必要であるほか、選定場所・依頼する専門業者によっては意外とコストがかさむ可能性がある点にも注意が必要です。
4-4. 手元供養
手元供養とは、遺骨の一部や遺灰を自宅をはじめとした身近な場所で保管し、故人を偲ぶ供養方法です。
ペンダントやミニ骨壺などデザイン性の高いアイテムも多く、日常生活の中で故人をすぐ近くに感じられる点がメリットです。
一方で、災害時や引っ越し時の取り扱いには注意が必要となります。また、親族間で「遺骨を家に置くこと」への考え方が異なる場合は、事前に了承を得ておかなければトラブルに発展する可能性があることも覚えておきましょう。
5. 「お墓はいらない」と考えた際の墓じまいの手順

すでに先祖が眠っているお墓の維持が困難な場合は、墓じまいを行い、遺骨を別の場所に移すことが基本です。墓じまいをスムーズに行うためには、その手順をしっかりと理解しておくことが大切です。
| STEP(1) | お墓のある自治体で「改葬許可申請」を行う |
|---|---|
| STEP(2) | 墓石業者や寺院と日程を調整し、遺骨の取り出し作業を実施する |
| STEP(3) | 遺骨の清掃や容器の準備を行う |
| STEP(4) | 移転先(納骨堂・樹木葬・手元供養など)を決め、遺骨を搬送する |
| STEP(5) | 新しい供養先に納骨し、必要に応じて法要や報告を行う |
墓じまいでは、自治体への申請や墓石業者との調整など、さまざまな手続きや書類が必要になります。必要書類は事前に確認して揃えておくと、手続きがスムーズに進みます。
また、遺骨の取り出しや移転は親族にも関係するため、事前にしっかり連絡して理解を得ておくことがトラブル防止につながります。
まとめ
現代では、継承者がいないことや費用負担、価値観の変化などを理由に「お墓はいらない」と考える人が増えています。その場合でも、納骨堂や樹木葬、散骨、手元供養、ゼロ葬など、さまざまな方法で故人を供養することが可能です。
「瑞華院 了聞」は、東京メトロ日比谷線「広尾」駅徒歩3分の好立地にある納骨堂です。永代供養プランをはじめ、故人が安心して眠れる多彩なプランを用意しています。お墓をもたない場合の供養方法について悩んでいる方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。


