お墓を移すのはよくない?改葬が増えている理由と引越しの手順も
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お墓の管理や供養の方法は、家族の形や暮らし方の変化によって大きく影響を受けるようになりました。少子化や遠方への転居が進むなか、「今のお墓の場所では管理が難しい」と感じるケースも増えています。
その一方で、「お墓を移すのはよくない」という言い伝えや、寺院との関係性を心配して踏み出せない方も少なくありません。しかし近年は、事情に合わせてお墓を移すケースが決して珍しい時代ではなく、実務的にも問題のない選択肢となっています。
そこで今回は、お墓を移すことが「よくない」と言われる理由から、改葬が増えている背景、実際の引越し手順まで分かりやすく解説します。
目次
1. 「お墓を移すのはよくない」と言われる理由

お墓の引越しとは、墓じまいを行ったうえで新たな納骨先へ移すことであり、「改葬」とも呼ばれています。 近年では、ライフスタイルの変化や転居、後継者不足などを背景に、お墓の引越しを検討する人が増えてきています。
事情に合わせた供養の形が求められる時代になってきている一方で、「お墓を移すのはよくない」と考える人も一定数存在します。しかし、結論から述べると、お墓の引越しそのものがよくない行為というわけではありません。
法律上においてもお墓の引越しは適切な手続きさえ踏めば問題なく認められており、心情面の負担さえ整理できれば安心して進められる選択肢と言えるでしょう。
では、なぜ「お墓を移すのはよくない」という否定的なイメージが残っているのか、その主な理由2つを詳しく説明します。
1-1. 文化・伝統への抵抗感を覚えるリスク
お墓を移す行為には、これまで守られてきた供養の形を変えることに対する文化的・伝統的な抵抗感がつきまといます。
特に「先祖代々の墓は動かしてはいけない」という価値観が根強い地域もあり、移転は縁起が悪いと受け止められることもあります。これは科学的根拠や宗教的な禁忌というより、長く受け継がれてきた習わしによる心理的なものです。
また、親族間で価値観が異なる場合には、「勝手に移すのは良くない」という感情的なすれ違いが起きることもあります。こうした文化・風習による抵抗感が、「お墓を移すのはよくない」という声につながっていると言えます。
1-2. 離檀をめぐる寺院とのトラブル発展の可能性
お墓が寺院墓地にある場合、檀家を離れること(離檀)が必要になる場合がほとんどです。離檀によって発生し得るお寺とのトラブルが、「お墓を移すのはよくない」と語られる一因になっています。
離檀をめぐるトラブルの代表例としては、下記が挙げられます。
● 急な離檀の連絡によって寺院側が対応できず、関係が悪化してしまう
いずれのトラブルにおいても寺院との信頼関係の問題が表に出やすいため、お墓の引越し自体がよくないことのように語られてしまう傾向にあります。
ただし、寺院側にも事情があり、丁寧に相談しながら進めればトラブルは十分に回避できます。大切なのは、「早めに連絡し、これまでの供養への感謝を伝えたうえで話し合いを進める姿勢」です。
2. お墓を移しても特に問題はない!

前述の通り、お墓の引越しには文化・伝統に対する抵抗感や、離檀をめぐる寺院とのトラブルなど、心理的・対人的な不安が伴うことは否定できません。しかし、お墓を移すという行為そのものに問題があるわけではなく、不幸や祟りが起こるといった科学的根拠も一切ありません。
また、改葬を行う際には「閉眼供養」や「開眼供養」など、仏教の作法に沿った儀式を適切に行うことで、故人を丁重に送り、新たな場所で供養を続けることができます。
近年はライフスタイルや家族構成の変化により、お墓のあり方を見直す家庭も増えており、社会全体で改葬への理解も進んでいます。こうした背景から、安心してお墓の移転を検討できる環境が整いつつあります。
3. お墓を移す人が増えているのはなぜ?
お墓の引越しが増えている背景には、ライフスタイルの変化や社会状況の大きな変化があります。
かつては同じ地域に住む家族が代々お墓を管理し、法要や掃除を行うことが一般的でした。しかし現代では、ライフスタイルや社会状況の大きな変化によって、従来の「先祖代々のお墓を守り続ける」という形が維持しにくくなっています。
ここでは、お墓の引越しが増えている理由について紹介します。
● 核家族化によるお墓の維持・管理の負担増
核家族化が進む近年では、実家から離れて暮らす子どもが増え、掃除や草むしり、法要の準備などが特定の家族に集中しやすい状況になっています。そのため、以前のように「複数の親族が協力してお墓を守る」という形が取りづらくなりました。
また、遠方に住むと交通費や時間の負担も大きくなり、管理がさらなる負担となるケースも増加します。こうした背景から、現在の居住地に近い場所やアクセスの良い施設へお墓を移す家庭が増えています。
● 高齢化によるお墓参りの負担増
高齢化が進む中で、「身体の負担が大きく、今の墓地まで行くのが難しい」という理由から改葬を選ぶケースも目立っています。
階段や坂道の多い墓地、車が停めづらい墓地などは、高齢の家族にとって大きな負担です。特に、公共交通機関を利用しないと行けない場所であれば、移動そのものが困難になることもあります。
そのため、アクセスが便利でバリアフリーが整った納骨堂や永代供養墓などにお墓を移して、今後も無理なく供養を続けられる環境を整えたいというニーズが高まっています。
● 承継者不在による無縁墓のリスク
近年では少子化や未婚率の上昇などにより、「将来お墓を継ぐ人がいない」という家庭も増えています。
承継者がいないまま放置すると無縁墓となり、管理者によって撤去される可能性もあります。そのため、お墓の引越しは「永代供養が可能な納骨堂や合同墓へ移して将来的なトラブルを避けたい」と考える人に選ばれています。
永代供養墓であれば、霊園が継続して供養・管理を行うため、お墓の維持に関する不安を解消できるでしょう。
4. 【4STEP】お墓を移すときの主な手順・流れ

お墓の引越し(改葬)は、決められた手順に沿って進めれば難しいものではありません。
最後に、お墓を移すときの主な手順・流れを、4つのステップに分けて紹介します。墓じまいやお墓の移転を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
4-1. STEP(1)寺院・霊園への連絡
お墓の引越しを検討したときにまず行うべきは、現在お墓のある寺院や霊園への連絡です。
改葬を検討している旨を早めに伝え、離檀の手続きや必要な流れについて相談しましょう。寺院墓地の場合は、閉眼供養の日時や離檀料の取り扱いなどを確認しておくことが大切です。
ここで注意しておきたいのが、寺院・霊園への連絡を後回しにして、ギリギリになって連絡するのを避けることです。寺院側にも、法要のスケジュールや手続きの都合があります。余裕をもったタイミングで丁寧に相談を進めることで、トラブルを回避できるでしょう。
4-2. STEP(2)引越し先(新たな納骨先)の決定
寺院・霊園に連絡して改葬の意向を共有したら、新しい納骨先を決定しましょう。
新たな納骨先の選択肢には、大きく分けて「一般墓地」「納骨堂」「永代供養墓」「樹木葬」などがあります。移転後の管理負担やアクセスのしやすさ、費用、供養の方法などを比較し、無理なく供養を続けられる場所を選ぶことがポイントです。
また、多くの施設では改葬を受け入れる際に「受入証明書(永代使用許可証など)」を発行します。受入証明書などの書類は行政手続きで必須となるため、事前に発行の有無を確認しておきましょう。
4-3. STEP(3)必要書類の準備と行政手続き
お墓を移す際には、市区町村で「改葬許可申請」を行う必要があります。主に準備する書類は、下記の通りです。
| 必要書類 | 入手先 |
|---|---|
| 改葬許可申請書 | 役所 |
| 埋葬証明書 | 現在の墓地 |
| 受入証明書 | 新たな納骨先 |
まずは現在の墓地管理者から埋葬証明書を発行してもらい、それを持参して役所にて「改葬許可申請書」を入手します。改葬許可申請書の必要事項を記入したら、現在の墓地管理者から証明印をもらいましょう。
その後、新しい納骨先から受入証明書をもらい、各種書類を役所に提出することで、数日~数週間で「改葬許可証」が発行されます。このように、必要書類の入手先はそれぞれ異なるため、余裕をもったスケジュールで進めるのがおすすめです。
4-4. STEP(4)墓じまいと引越し先への納骨
改葬許可証が発行されたら、いよいよ遺骨の取り出しと墓じまいを行います。寺院墓地の場合は閉眼供養を、移転先で納骨する際には開眼供養を行うのが一般的です。
また、墓じまいで欠かせないお墓の撤去作業は、基本的に石材店へ依頼します。業者によって費用は大きく異なるため、できる限り費用を抑えたいという場合は複数社で見積もりをとって比較・検討するのが安心です。但し、霊園や寺院によっては指定石材店が決まっていることがありますので、確認の上で進めましょう。撤去後は更地に戻し、管理者へ返還することで墓じまいが完了します。
その後、引越し先の墓地・納骨堂・永代供養墓へ遺骨を納め、新たな環境で供養を続けることになります。
まとめ
近年はライフスタイルの変化から改葬が一般化しており、必要な手続きを踏めば安心してお墓を移すことができます。文化・伝統への抵抗感や寺院とのやり取りへの不安を抱く人もいますが、移転そのものに問題はなく、科学的根拠のある悪影響も存在しません。
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