合同墓と合祀墓の違い|主な種類と向いているケースも徹底紹介!

お墓
2024.08.29
合同墓と合祀墓の違い|主な種類と向いているケースも徹底紹介!

この記事を書いた人

運営部主任 小林 雄志

葬儀・供養業界経験者。複数の霊園・納骨堂での勤務経験あり。
取得資格:終活コンシェルジュ

お墓のスタイルは多様化しており、考え方に合わせてお墓を選ぶ方が増えています。近年は、永代供養付きの「合同墓」「合祀墓」も注目されています。

いざというときに生前の故人の考えや遺族の意向を反映できるように、供養の方法やお墓の種類を知っておくことが大切です。

今回は、合同墓と合祀墓の違い、合葬墓の主な種類と永代供養の合葬墓が注目されている理由について詳しく解説します。合葬墓が向いているケースも説明するため、ぜひ参考にしてください。

1. 合同墓・合祀墓とは?

合同墓とは、血縁関係がない者同士の遺骨を一緒に埋葬するお墓のスタイルで、「ごうどうぼ」「ごうどうばか」と読みます。合同墓には、個々の墓石がありません。

合祀墓とは、複数の霊や神を1つのお墓に祀ることを意味する神道の言葉で、「ごうしぼ」「がっさいぼ」と読みます。合同墓と同様に、血縁関係がない者同士の遺骨をまとめて納めます。

合同墓と合祀墓は、非常に似た形態のお墓であり、意味合いはほとんど同じです。

1-1. 合同墓と合祀墓は「埋葬の仕方」に違いがある

合同墓と合祀墓は、意味合いとしてはほとんど同じではあるものの、遺骨の埋葬方法には明確な違いがあります。

合同墓と合祀墓の埋葬方法の違いは、下記の通りです。

合同墓 ● 遺骨を骨壺のまま複数の遺骨(骨壺)とまとめて埋葬する
● 遺骨を取り出さないため個々の遺骨を認識できる
合祀墓 ● 遺骨を骨壺から取り出して複数の遺骨とまとめて埋葬する
● 個々の遺骨が識別できなくなる

合祀墓は故人の遺骨が他の遺骨とまとめられてしまうため、個々に埋葬したい場合は合同墓が適しています。

1-2. 合同墓と合祀墓は「合葬墓」という形態にあたる

合同墓と合祀墓は、合葬墓という形態に分類されます。

合葬墓とは、合同墓と合祀墓と同様に血縁関係がない者同士の遺骨をまとめて供養するお墓です。霊園・墓地・寺院の埋葬方法によって、「合同墓」「合祀墓」「共同墓」など呼び方が異なります。

共同墓の場合は、合祀墓のように骨壺から出した遺骨を他人の遺骨とまとめて埋葬するケースもあれば、合同墓のように骨壺で個別に遺骨を埋葬できるケースもあります。

希望する納骨方法を選べるかどうか、事前に確認しておきましょう。

1-3. 近年では永代供養の合葬墓も選ばれている

近年、永代供養の合葬墓も注目されています。

永代供養の合葬墓とは、永代供養サービスが付いた複数の遺骨を埋葬できるお墓です。永代供養付きの合葬墓は、お墓の管理者が供養と遺骨の管理を行ってくれるため、「遺骨整理をしたい」「お墓の継承を希望しない」という方に選ばれています。

ただし、永代供養の合葬墓と「永代供養墓」は意味が異なります。永代供養墓は、あくまで管理者が供養の代行をするお墓のことです。遺骨を骨壺のまま管理して、契約期間中は合祀を行わないケースもあります。

2. 永代供養の合葬墓(合同墓・合祀墓・共同墓)の主な種類

永代供養の合葬墓(合同墓・合祀墓・共同墓)には、さまざまな種類があります。同じ合葬墓でも遺骨の埋葬・保管場所やお墓参りの方法が異なるため、それぞれの特徴を理解しておきましょう。

以下では、永代供養の合葬墓の特徴を種類別に解説します。

2-1. 納骨堂型合葬墓

納骨堂型合葬墓は、納骨堂に合葬墓が設けられているのが特徴です。

一般的な納骨堂は、契約期間が終了するまで遺骨を骨壺のまま保管され、最終的には合祀されます。一方、納骨堂型合葬墓は、ほとんどの場合骨壺のまま保管することはなく、納骨時から合祀されます。

納骨堂型合葬墓に納骨した場合、個別の納骨堂と同様にお墓参りが可能です。多くの納骨堂は屋内にあるため、天候に左右されることなく参拝できます。

2-2. 自然葬型合葬墓

自然葬型合葬墓は、樹木葬と合葬墓が一体となったお墓です。

一般墓は墓石を建てるのに対して、自然葬型合葬墓はシンボルツリーとして樹木を植えます。サクラ・ツバキ・モミジなど、樹木の種類はさまざまです。遺骨は土に埋葬されるため、「自然に還る」というイメージを持つ方が多く見られます。

樹木葬には個別型もありますが、自然葬型合葬墓の場合は1本の樹木の根元に複数人の遺骨を埋葬します。公園型・庭園型・里山型などがあり、都心部では公園型やガーデニング型が主流です。

2-3. 慰霊碑型合葬墓

慰霊碑と合葬墓を組み合わせたお墓を慰霊碑型合葬墓と呼びます。

慰霊碑とは、戦争や事故などで亡くなった方の霊を慰める目的で建てられる石碑です。慰霊碑型合葬墓にも、故人を追悼するために石碑・仏像・お釈迦様などのモニュメントが建てられています。合祀墓によく見られるスタンダードなタイプです。

慰霊碑型合葬墓は、一般墓と同様にお墓参りができます。線香やお花のお供えもできるケースがほとんどです。

2-4. 立体型合祀墓

立体型合祀墓は、地上と地下で二段構造になっている合祀墓です。

立体合祀墓に納骨する場合、まず地上スペースに遺骨を骨壺のまま安置します。一定期間が経過したら、地下の合祀専用スペースに移されます。限られたスペースを有効利用できるお墓のスタイルです。

使用料は契約期間ごとに設定されているケースがほとんどです。使用期間を延長できる場合もあります。個別に墓石があるわけではないため、お墓参りでは石碑や塔などのシンボルに向かって手を合わせます。

2-5. 個別集合型合祀墓

個別集合型合祀墓は、立体型合祀墓と同様に地上と地下でスペースが分けられているお墓です。

個別集合型合祀墓は地上の納骨スペースが分かれているため、一定期間が過ぎるまでは個々に埋葬されます。シンボルとなる墓石の周りに故人の納骨スペースが設けられているのが特徴です。一定期間が経過したら、地下の合祀専用スペースで供養されます。

合祀されるまでの期間は、お墓参りで個別に手を合わせることが可能です。

3. 合葬墓(合同墓・合祀墓・共同墓)が向いているケース

合葬墓(合同墓・合祀墓・共同墓)は、お墓の管理や供養の負担を軽減できるため、近年利用する方が増えています。

合葬墓の利用を考えている方は、どのようなケースに向いているのかチェックしておきましょう。

合葬墓が向いているケースは、下記の通りです。

● 先祖の遺骨を整理したい
● 無縁墓となるのを防ぎたい
● 家族に負担をかけたくない
● お墓を購入するお金をかけたくない

先祖代々のお墓を受け継いでいると、いつか埋葬スペースが足りなくなります。合葬墓は、先祖の供養をしっかり行いつつ遺骨を整理したい場合に向いています。

「お墓を受け継ぐ子どもがいない」「子どもが遠方に住んでいる」などの理由で、お墓の管理が難しいケースも珍しくありません。お墓の管理が行き届かなくなったり無縁仏になったりする心配がある場合は、合葬墓を検討するのも1つの方法です。

また、お墓を購入するには墓石代や維持費がかかるため、まとまった費用が必要になります。費用に不安がある場合は、合祀墓を選択することで費用を大幅に抑えられます。

多くの合葬墓は、生前予約が可能です。家族への負担をできるだけ軽くしたい方にも向いているでしょう。ただし、公営の合葬墓は競争率が高く利用条件が厳しい傾向にあります。事前に情報を集めておく必要があります。

一度合祀をすると、個別に遺骨を取り出すことはできません。家族や親族との話し合いを行った上で、納得のいくお墓のスタイルを選択しましょう。

まとめ

合同墓と合祀墓は、いずれも複数の故人の遺骨をまとめて埋葬するお墓を意味します。しかし、合同墓は骨壺のまま埋葬するのに対して、合祀墓は骨壺から取り出して埋葬するのが特徴です。

合同墓と合祀墓は埋葬方法に違いがあるものの、まとめて合葬墓と呼ばれることがあります。近年では、永代供養付きの合葬墓も注目されています。永代供養の合葬墓には、納骨堂型・自然葬型・慰霊碑型などさまざまな種類があるため、特徴を比較した上で選ぶことが大切です。

納骨堂型合葬墓を検討している方は、全室完全個室設計で永代供養墓の利用や永代使用も可能な納骨堂「了聞」へお気軽にご相談ください。了聞の合同墓は、ご遺骨を専用の袋にて個別でお預かりしています。

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